【夫婦の財布の中身】医師同士結婚のお小遣い制度を考える!
結婚後、お小遣い制を敷こうと思っている女性医師のみなさん、要注意です!お小遣い制は、男性医師にとても不評なのです。今回は、お小遣い制が有益であるのかはもちろん、男女の医師としてのキャリアとお金の考え方の違いについて触れてみます。
目次
筆者は何者?
研修医の先生たちに聞いた、男女別の家計感覚の傾向
私は研修医の先生と仕事をする機会が多いので、本ブログのために色々なことを聞くようにしています。今回、キャリアや家計の感覚についてご一緒した先生方にインタビューしてみました。おおよその傾向として以下のようなことが言えるかなと思います。
男性医師のキャリアと家計感覚の傾向
- 自分のキャリアの犠牲はあまり考えていない
- 医師同士結婚でも、自分が主体で稼ぐ、という感覚
- 医師同士結婚ではダブルインカムへの意識も強い
- 家計は管理されたくない。お小遣い制は基本的に不評
女性医師のキャリアと家計感覚の傾向
- 自分のキャリアも大事だけど家庭も、と悩んでいる
- 収入そのものに関する執着は薄い
- ダブルインカムに関する意識は男性ほど強くない
- 家計は別という派と、管理したい派に分かれる
まず、2023年の現在になっても、家庭の役割への意識には明らかに性差があります。男性医師の家庭への関心が低い傾向が見られます。 また、(同世代同士のカップルで)相手の理想とするキャリア像のために、自分のキャリアを犠牲にしようと考えられる男性医師は、相当に少ないことも感じます。
この延長か、男性は稼ぎ頭としてお金を稼ぐことと、自分のキャリアに重心があり、女性はキャリアと育児家庭のバランスに重心があり、収入そのものへの執着は男性よりも少ない感じがします。女性医師と交際している男性に話を聞くと、ダブルインカムという話がよく登場します。
お小遣い制では医師婚の金銭メリットが感じられない
このように男性は自分が主体として稼ぐことに意識があるようです。雰囲気的に、家庭の資産を増やすというより、「自分が自由に使えるお金を増やしたい」とニュアンスだと言ってしまっていいでしょう。
さて、iCoiは医師同士のマッチングサービスですので、ここからは医師同士婚について考えます。家庭内でお小遣い制を敷く場合を想像してみましょう。
お小遣い制では、いくら頑張っても自分の使えるお金が増えません。男性としては(世の中にいっぱいいる)専業主婦希望の女性と結婚しても、キャリア志向の女性医師と結婚しても、使えるお金は同じです。でもキャリアを望む女性と結婚した場合は、自分の仕事に制限がかかるのは明らかです。
医師の給与水準では、シングルインカムでも生活には困りません。たとえダブルインカムでも、お小遣い制にしてしまうと男性からはデメリットが目立ち、医師同士の結婚の利点はかなり薄く感じてしまうと思います。
本来これは男女逆の場合も議論すべきですが、社会の実態として専業主婦・専業主夫を望む人の性差に圧倒的な差があるのは事実です。結婚はなんだんだ言って結婚市場の需給の上に成立していきますから、理想を語りたいのもヤマヤマですが現実も直視せざるを得ません。
お小遣い制の男性医師の愚痴はよく耳にする
実際、お小遣い制の人々はどのように感じているのでしょうか。私はそれなりにお小遣い制で生活している先生方の雑談を耳にすることがありますが、総じてかなりの不満を述べていらっしゃいます。「家庭のことは全部パートナーに任せてしまっているから」 はよく聞く理由です。
パートナーが職場で家庭の不満を話のネタにしていることについて、心地よく感じない人も多いのではないかと私は思います。
投資の性差と、投資経験を奪うリスク
投資についても考慮すべきです。 マネーリテラシー・投資経験は投資をしてみないと成長しません。二人で投資を経験すれば二人分マネーリテラシーが身につくのに、家計管理を片方に任せてしまうと、もう一方の投資経験の機会はほぼ失われてしまい、マネーリテラシーの向上も見込めません。
さらに、一般的な傾向として、男性よりも女性の方がリスクを避ける(積極的に投資を行わない)傾向があります。 女性が家計管理を担当する場合、家庭資産の投資性向は低くなりやすく、長期的にみればインフレに弱い資産状況になりやすい可能性があります。
重要なのは制度設計よりコミュニケーション
ということで、医師同士のカップルの場合では、女性が男性にお小遣い制を求めることには少々賛同しかねる部分があります。もちろん、パートナーが過度に浪費癖があるなど、合理的な理由がある場合には相談すればいいと思います。
ただ家計を管理する側の責任も重大ですし、そもそもまず制度設計で縛り付けるよりパートナー同士のコミュニケーションを先に重視するべきだと思います。
お金の問題は関係を悪化させる要因の一つですから、予め話し合いを通じて解決策を見つけることが、より健全な関係を築くための第一歩だと思います。
この記事のライター
KCP ニッチな麻酔科ライター
フリー麻酔科医のライターです。ニッチな麻酔の記事を書いたりしていますhttp://note.com/kcp。仕事依頼などはX(Twitter)のDMから。https://twitter.com/KCP58227768
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