【後編】激務の中で家族と仕事を両立するには?救急医の育児メソッド
今回インタビューを行ったのは、救急専門医として働く一方、育休を取りながら父親として邁進する「パパ救急先生」です!非常に忙しいというイメージがある救急医。後半では、より恋愛や結婚にフォーカスを当てたお話を伺いました。
後編はズバリ、恋愛・結婚について!
前編では、「救急医と育児の両立」を中心にお話を伺いました。後編では恋愛や結婚についてより具体的なお話を伺います!
結婚のタイミングで一番大事なもの~それは、◯◯だ!~
先生の馴れ初めについて教えてください。まず、先生が結婚されたのは医師の方でしょうか?
パパ救急先生
いいえ。医療関係者でもありません。
そうなんですね!結婚の決め手はなんでしたか?
パパ救急先生
「この子と結婚するんだ」という意思は決まっていたので後はタイミングでした。仕事を始めてからは仕事に集中したかったので、それまでに身を固めておきたいという思いもありましたが、一番の理由はできるだけ長い時間を一緒に過ごしたいと思ったからです。
素敵な理由ですね!
子育てのコツは無理しすぎないこと
親として子供に向き合うにあたり、大切なことはなんでしょうか。
パパ救急先生
過度に期待をしすぎないことが重要です。
なるほど。それはどうしてですか?
パパ救急先生
正確に言えば、期待したとしても、百点満点を目指さないということが重要です。人生や育児において百点満点というのは存在しません。その基準がないからです。
人生はゲームとは違いますからね。
パパ救急先生
「どこまでいったら合格で、満点で」というのは、親のエゴでしかありません。本当に子供のことを考えるのであれば、その子供の進みたいように、やりたいようにさせてあげる。そのほうがストレスもかからずに良いと思います。また、第一子の誕生や育休取得の際に、頑張りすぎてしまうパパ、ママがいます。無理しすぎないよう気をつけるべきです。
「頑張りすぎてしまう」というのは、先生だからこそ出てくるメッセージかもしれません。自分もそのような立場になった時は気をつけたいものです。
パパ救急先生
スタートで頑張ろうとすると燃料が切れてしまいます。新しい職場、新しい学校、新しい科目になったら張り切って頑張ろうとする人はその傾向があり要注意です。子育ては時間がかかります。その勢いで走り続けられるか自問する必要があります。
「幸せ」とはなにかをよく考えること
では、女性医師・医学生にメッセージお願いします!
パパ救急先生
結婚は幸せになるための手段であって目的ではありません。あなたが、キャリアを目指して幸せになるのであれば全力で目指すべきであり、結婚することで幸せになるのであれば結婚を考えるのがいいと思います。
私もついつい結婚を目的化してしまいがちです。
パパ救急先生
ここで伝えたいのは、結婚だけに縛られる必要はないということです。
その心は?
パパ救急先生
結婚して、子供を生んで家庭を持つというのが幸せの代名詞として語られることもありますが、幸せの形は決してそれだけではありません。「あなたのしたいように」するのがいいはずです。
その「したいこと」をどう決めるのか、これが重要です。世間的な幸せについていって、なんとなく結婚したはいいものの、そんなに幸せではないかも。それで自分が墓に入るときに満足できますか?
なるほど……。自分の幸せについて真剣に考えたことがないので、これからしっかりと人生観を深めていきたいです!
パパ救急先生
女性は特に、自分がお腹を痛めて生んだ子。育てていく中でもその愛は別次元でしょう。しかし、これも本当に自分がそうかというと、経験してみないとわからない。難しいですよね。
なるほど。まずは挑戦してみるのが大事なんですね。
パパ救急先生
「したいこと」の解像度を高めていくには、いろんな体験をし、本を読んで知見を広めていくということが大切です。その過程を経て、学生のうち、また若手のうちに自分にとっての価値観の優先順位が決まっていくといいですね。
私はまだ実習しか経験していませんが、おっしゃっていることはよく分かります。
パパ救急先生
人はあなたの価値観に惹かれます。己を知り、敵を知れば百選危うからずと言いますが、まずは、あなたの価値観を知るところから始めましょう。そうすると、あなたの進むべき道は自然と見つかります。
50:50ではなく100:100を!
ワーク・ライフ・バランスの悩みはありますか。
パパ救急先生
やりたいことが多く、時間がないということです。
医者はその道を極めるのに某大な時間を必要とする職業です。その道に絞っても極めきれるかどうか。また、極めねば患者の不利益に繫がり人を殺しかねないのです。その意味でバランスとも言っていられないのが現実です。
バランスよりも優先すべき努力があることは、臨床実習を行う身としても痛切に感じます。
パパ救急先生
バランスというと、50:50でバランスをとるという意味合いが出てきますが、そうではなく、100:100でワークとライフを極めたいと思っています。
バランスを取るといったように、自分で限界を定めてしまうよりも、できる限りチャレンジしてみるのが大事ということですね。
パパ救急先生
それに自分の限界もあります。100%で足りない分はシステムで補う必要があります。だから、人を増やしたり、記憶を定着しやすい勉強法にしたり、ミスが起こりにくい診療形態にしたり、工夫を怠らないことが大切です。人に依存しない業界になっていってほしいと思っています。
これからどんどん医療業界も変わっていくように思います。結婚の常識もそれに応じてアップデートされるかもしれませんね。
パパ救急先生
結婚は試練と思われがちですが、人生の試練は結婚に限りませんし、必ずやってきます。
大切なのは「結婚をどう幸せに乗り越えるか」ではなく「自分の人生をコントロールし自分の思い描く人生の歩み方を学ぶこと」です。
なかなか100%理想通りに頑張るのは難しそうだと思います。具体的にはどのようなことが挙げられるでしょうか?
パパ救急先生
アンガーマネジメント、コミュニケーション能力、価値観の見極め、選択方法、ライフハックなどなど、医療だけに絞らず、幅広い知識を身につけるべきです。
もちろん完全に思い通りには進みませんが、知識を身につけることで近づくことはできます。
患者さんと関わっていると、特にコミュニケーション能力は重要であるように感じます。
パパ救急先生
結婚についての本も多数出版されています。これらの本で結婚について学ぶのも良いと思います。
また、結婚相手との関わり方はいわばコミュニケーション能力です。他人とはコミュニケーションの仕方を考えるのに、結婚相手にはぞんざいな扱いをするというのは、優先順位が異なります。他人はあくまで他人。妻は配偶者。自分の人生を豊かにしてくれるのは後者のはずです。
一生連れ添う人ですものね。
パパ救急先生
様々な本で知識を付け、人格を磨くに従って、本当の幸せが手に入ります。それは結婚という「うわべ」の幸せではなく、結婚相手と仲良く、楽しく人生を歩んでいく幸せです。結婚という手段に惑わされず、幸福という目的を追求していくのが良いと思います。
ありがとうございました。
お話を聞かせていただき、ありがとうございました!
この記事のライター
Asako
iCoiの女性ライター。医学生として学業に励む傍ら、小説家・ライターとしても活動しています。
この記事をシェアする!
【後編】激務の中で家族と仕事を両立するには?救急医の育児メソッド
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。