【前編】激務の中で家族と仕事を両立するには?救急医の育児メソッド

今回インタビューを行ったのは、救急専門医として働く一方、育休を取りながら父親として邁進する「パパ救急先生」です!非常に忙しいというイメージがある救急医。前半では、そのような状況で「家族とのバランスを取るコツ」及び「働く上での心構え」を伺いました。

【前編】激務の中で家族と仕事を両立するには?救急医の育児メソッド

目次

  1. 父親と救急医を両立する「パパ救急」先生にインタビュー!
  2. 仕事は妥協しない!
  3. 救急医、育休を取ってみた。
  4. 両取りこそ令和のスタンダード!
  5. 後編では具体的な恋愛・結婚のアドバイスに着目

父親と救急医を両立する「パパ救急」先生にインタビュー!

早速ですが、パパ救急先生のこれまでのキャリアについて教えてください。

パパ救急先生
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大学を卒業した後に、市中病院で研修を行った後、別の病院で救急専門医プログラムに入り専門医を取得しました。その後、同病院で勤務しています。

なるほど!救急専門医というと、かなり激務なイメージがあります。

パパ救急先生
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仕事は妥協しない!

救急医というと大変忙しいイメージがあります……。

パパ救急先生
パパ救急先生
ご想像の通り、毎日仕事で充実しています。

私はまだ医学生なのですが、具体的にどのような部分で苦労を感じますか?

パパ救急先生
パパ救急先生
大変なことには、「身体的困難」と「精神的困難」があります。

どちらも大変そうです……。もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?

パパ救急先生
パパ救急先生
仕事ではまだまだ若手で勉強しなければならない状況ではありますが、家に帰っても勉強の時間は取れず、子育て、家事が待っています。

キャリアとプライベートの両立、特に若いころだと兼ね合いが難しいですよね。

パパ救急先生
パパ救急先生
疲れた体をもうひと踏ん張り!ということで「身体的困難」。勉強しなければならない年次なのに勉強する時間をなかなか確保できないということで「精神的困難」です。家事と育児が落ち着いた夜か早朝に勉強や自分の仕事をこなします。そのため、夜は死んだように眠ります。

時短勤務などは検討されませんでしたか?

パパ救急先生
パパ救急先生
勤務時間については、特に調整なく普通の医師と同様に働いています。プライベートの過ごし方は、日常の臨床での疑問の解消、またそれ以外にも降ってくる仕事をこなしながら育児もするということで多忙な日々を送っています。とにかく時間がないということが大変です。

そのバイタリティ、大変見習いたく思います!激務とプライベートの両立をこなすためのテクニックがあれば教えてください。

パパ救急先生
パパ救急先生
時間の使い方については、工夫を凝らしています。簡単にいえば、スマホ1つで仕事ができる状態にしておくことです。

スマホ1つで仕事、ですか……。

パパ救急先生
パパ救急先生
皆さんスマホを手元から離す時間はどのくらいありますか?スマホを触っている、触っていないは除外して、手元から離す時間はほとんど無いのではありませんか?

そのスマホで仕事や勉強ができるようにしておけば、常に仕事ができる無双モードに突入できます。常に仕事ができるなんて幸せですね!

確かに、スマホの活用は武器になりますね!

パパ救急先生
パパ救急先生
他のことに気を取られてしまうのではという懸念をされている方もお見えかもしれませんが、育児をして、その上、仕事を詰め込んでいれば、他事をしている時間はなく、仕事に追われることになりますからご安心下さい!

救急医、育休を取ってみた。

パパ救急先生は育休を取得されていますよね。その選択に迷いなどはありましたか?

パパ救急先生
パパ救急先生
上司も取得しており、環境が恵まれていたので、そこまで迷いはありませんでした。とはいえ、医者をやりながら育休で仕事をしないタイミングがあるというのは結構不安でしたね。

育休取得の決め手を教えてください。

パパ救急先生
パパ救急先生
考えたこととしては、「家族」と「仕事」を天秤にかけたときに、家族のほうが重要だと思いましたね。

なるほど。詳しく聞いてもよろしいでしょうか?

パパ救急先生
パパ救急先生
家族にとって、父は自分だけですが、職場においてはどれだけ重要なポジションにいても代わりはいると思います。病院内に代わりがいなければ他から呼んでこればいい。しかし、家族はそういうわけにはいかないと感じました。

確かにそうですね。

パパ救急先生
パパ救急先生
「仕事をしすぎた」と嘆く中年~高齢男性は多いですが、育休を取って損をしたという男性はあまりいません。子供が小さい期間ってそんなに長くないですよね。貴重な時間を家族で一緒に過ごしたいと思ったのが決め手ですね。

両取りこそ令和のスタンダード!

仕事と育児の兼ね合いにあたり、どのような困難がありましたか?

パパ救急先生
パパ救急先生
仕事と育児の両立は困難なことばかりです。
我々医師の場合、無知は「罪」になるわけです。治療を施せるはずだった患者さんが、治療を受けることができないというのは罪ですよね。また、救急では自分の判断ミスや見逃しが命に直結するので、より知識の重要度は高くなってくると思います。

無知は罪、肝に銘じます。

パパ救急先生
パパ救急先生
先にも述べましたが、家族と仕事の優先順位は家族優先です。しかし、仕事を捨てたわけではありません。むしろ両取りしたいと思っています。

両取りのコツはありますか?

パパ救急先生
パパ救急先生
両取りする上で「効率」は重要になってきます。父になったことで、どうしても時間が限られてきます。効率を上げなければ十分な仕事量をこなすことはできません。ですので、日常診療で学んだこと、上級医から教わったことはその時完全に覚える。わからないことがあったらその場で調べることを習慣にしています。家に帰ったからといって、勉強できる保証はないですからね。

その場でのインプットと調べ学習、とても大事ですね!

パパ救急先生
パパ救急先生
妻は家にいる間は子供と常に一緒。自分の時間は皆無です。
そのため、家に帰ってからは極力、自分が子供の相手をしてあげたいと思っています。一人の時間がないということを想像できますか?これは意外に大変なことなのです。

子育てには独特の疲労があるように思います。

パパ救急先生
パパ救急先生
逆に自分の場合、病院ではひとりの時間があります。
診療が比較的落ち着いている時や、当直の仮眠の時間。この時間が仕事と家族を両立させる人においてはゴールデンタイムになります。この時間に密度を極限に高めた仕事を行っていくわけです。

「ゴールデンタイム」を使いこなせるようになりたいです!

後編では具体的な恋愛・結婚のアドバイスに着目

前編では、主に「育休取得の経緯」と「仕事との両立方法」についてお話を伺いました。現役の医学生として、時間の活用方法や、その場で調べることの大切さなど、見習うべき考え方がたくさんあり、インタビューを通じて多くの学びを得ることができました!

後編ではiCoiの目指すところでもある「恋愛・結婚」について焦点を絞りお話を伺っていきます。

後編のリンクはこちら!
Asako

この記事のライター

Asako

iCoiの女性ライター。医学生として学業に励む傍ら、小説家・ライターとしても活動しています。

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