【後編】結婚のために初期研修直後に大学院に!?その決断の背景に迫ります!

今回は、初期研修修了直後に結婚を見据えて公衆衛生大学院に進学されたご経歴をお持ちの「エスカ先生」にインタビューをさせていただきました。現在は家族の都合で海外にお住まいのエスカ先生に、これまでのキャリアや海外での子育てについて伺いました!

【後編】結婚のために初期研修直後に大学院に!?その決断の背景に迫ります!

目次

  1. 受容と工夫が大切!
  2. 新しい風を吹き込ませよう
  3. 子供と触れ合う時間は大切にしたい!
  4. 悩みを分解し、広い世界を見ることが大事
  5. エスカ先生レコメンド・結婚観を鍛えられるメディアはコレだ!
  6. キャリアを思考し、自分だけの道を

受容と工夫が大切!

結婚やご出産とキャリアの兼ね合いにあたり、どのような苦労がありましたか?

私は後期研修の最初に妊娠が分かったので、周りの方に迷惑をかけているのではないかと当時はかなり悩んでいました。

そのようなことがあったのですね。

でも、部長が女性だったこともあってか、周囲の方にはとても支えられました。理解のある方が上司にいると心強いですね。

やはり周囲の方のサポートは欠かせませんよね。

他にも、勉強の時間が短くなることの焦りと不安、今まで参加できていた夜間の勉強会に参加できない焦りと夫との時間調整による喧嘩、休日を家族と過ごすか自分の自由時間にするか問題などなど、一人でいたときでは考えられなかった悩みがたくさん出てきました。

それに対し、どのように工夫されていましたか?

ワーママの発信などを聞いて、自分が自由にできる時間が少ないことを認めて、する事を徐々に減らしていくことで対処していたと思います。あとは夫とのコミュニケーションも重視していましたね。

新しい風を吹き込ませよう

男女の間で生じている医師のワークライフバランスの違いについてどのようにお考えでしょうか?

本来は男女どちらも親になれば同じ状況だと思いたいですが、やはり男性が働いて女性が家で長く家事・育児をするという家庭はまだよくあと思います。そのような男性が職場で身近にいると、使える時間の違いにうらやましく思うことがあります。

とても共感します。

勉強や仕事で劣等感を感じる時に、自分時間の少なさが理由だと結びつけてしまうとネガティブな感情が生まれますよね。私はそんな時、本やPodcastで同じような境遇を理路整然と語って整理してくれるような発信を見聞きして乗り越えようとしています。

子供と触れ合う時間は大切にしたい!

出産や子育てをしながら仕事を続けるために、どのような環境があると良いと思われますか?

フレックスタイム、リモートワーク、ダブルワークなど、柔軟な働き方を積極的に採用すべきだと思います。

その心は?

例えば臨床に戻る時、育児をしながら平日週5勤務に加えて週末勤務や日当直は難しいですよね。週末勤務や日当直をする間は、子供の世話を必ず他の誰かに負担させることになります。

もちろん、ベビーシッターや託児所を利用しても良いのですが、その分子供と過ごす時間が減ると考えると、ワークとライフのバランスが自分の理想よりもワークに傾いてしまう気がして。

なるほど...!

以前の職場には子供が小学生になるまで日当直が免除される制度がありましたが、せめてそのような制度が広まってほしいし、今後そのような制度を持つ施設が働き手に選ばれていくと思います。

ちなみに、現在は海外にお住まいとのことですが、どのように過ごされていますか?

海外では医師として働けないため、子どもを保育園に預けるまでは母としての役割の時間が一日のほとんどを占めています。海外生活を前提にして、臨床以外の公衆衛生に関わるリモートワークが可能な仕事を始め、キャリアをゆるやかに繋ぐ工夫を続けています。

悩みを分解し、広い世界を見ることが大事

最後に、結婚に対する不安や、それに関連して将来の進路に悩んでいる女性へのメッセージがございましたらいただければ嬉しいです。

もし恋に落ちるタイプではなく頭で考え込んでしまうタイプであれば、まずは具体的な自分の結婚観を知ると良いのかなと思います。結婚について人と話したり、本を読んだりする機会を積極的に持つと、不安な時に自分の心を支えるために役立つかもしれません。具体的に結婚したい時期が決まっていれば逆算してパートナー探しができるし、結婚したい相手の像があれば自分の行動範囲も変わってくるかもしれないですよね。

確かにそうですね。

一度結婚しても、その関係を継続するためにもまた次々と苦労がやってくるので、結婚自体が早い遅いとかではなく、自分の人生の一つのピースとして考えると少し不安が解消される……かもしれません。恋に落ちるタイプなら、自分に正直にそのまま突き進むのが吉だと思います!

心に沁みます。

もし悩みが出てきたとしても、自分の結婚に対する不安の根源を特定すること、悩みを細分化することが大事だと思います。他の人の話を聞いたり、本を読んだりしてもいいかもしれません。

それって今解決すべき不安?と問いかけてみてください。あまり意味のない不安や今行動してもしょうがないことに不安を抱えないことも大切です。この診療科は女性少ないから、とかいうけど他の病院みたら全然違ったりしますしね。

エスカ先生レコメンド・結婚観を鍛えられるメディアはコレだ!

先生は書籍や漫画、芸術作品など多くのコンテンツに触れられていますよね。差し支えなければ、おすすめの書籍を教えてほしいです!

そうですね~、特に「結婚観」を考えるのによいメディアをご紹介します。
・漫画『逃げるは恥だが役に立つ』
・書籍『LIFE SHIHFT』(リンダ・グラットン)
・書籍『女性医師の意欲とキャリアとリーダーシップ』(赤嶺 陽子)
辺りがおすすめです。ポッドキャストだと、
・Podcast Joy of Life with Confidence〜女性医師の多様な生き方を応援〜
・Voicy 学びの引き出しはるラジオ(尾石 晴)
はよく聞きます。

ありがとうございます!ぜひ読ませていただきます!

キャリアを思考し、自分だけの道を

全2回に渡り、エスカ先生のインタビューをお届けしました!特に印象深かったのは、何度か訪れたキャリア選択の場面で、常に思考を怠らず、先生自身が思う最善の道を選択されていたことです。

固定観念に縛られず、柔軟な生き方をすることの大切さを学ぶことができました。エスカ先生、ありがとうございました。

エスカ先生のnoteはこちらから!
Asako

この記事のライター

Asako

iCoiの女性ライター。医学生として学業に励む傍ら、小説家・ライターとしても活動しています。

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