仕事と育児の両立に奮闘中!パパ循環器内科医の生活に迫ります!
今回は、岐阜県内の総合病院にご勤務されながら、子育てに奮闘されている佐橋先生にお話を伺いました。佐橋先生がどのようなお考えを持ち、仕事と育児の両立に奮闘されているかについて迫ります!
臨床研究にも精通するパパ循環器内科医
さっそくですが、佐橋先生のこれまでのご経歴を教えてください。
佐橋先生
2014年に岐阜大学を卒業後、愛知県内の市中病院で初期研修を行いました。3年目には大学病院の循環器内科に入り、虚血性心疾患、心不全、不整脈、救急循環器等のトレーニングをはじめました。2020年には、臨床研究や疫学を学ぶために横浜市立大学大学院データサイエンス研究科修士課程に入学しました。
医師のキャリアの途中で、データサイエンスの大学院に行かれたのですね。どのようなことを学ばれたのですか?
佐橋先生
大学院では主に生物統計や臨床疫学を学びました。これに関連して、臨床研究に関するスキルや機械学習に関する知見を深めました。医学領域に限らない友人も増えましたし、楽しくて良い環境だったと思います。
データサイエンスと言っても、医学研究と深く関わりがあるのですね。
有給休暇を有効に活用して、プチ育休
佐橋先生のご結婚のエピソードについてお聞かせください。
佐橋先生
妻は高校の同級生だったのですが、高校時代は顔見知り程度でした。当時4年制大学を卒業して地元で就職した妻と、大学6年生の時に再会し、お付き合いすることになりました。大学6年生から4年間ぐらいお付き合いし、医師3年目の時に結婚しました。
お子さんはいらっしゃいますか?
佐橋先生
一歳になったばかりの娘が一人います。
とても可愛いですよ(笑)
お子さんがご誕生されるに際して、育休取得はご検討されましたか?
佐橋先生
もちろん検討しました。 最初は、出産後の数週間、週に1~2日の頻度で育休を取得したいと思っていました。
しかし最終的には、有給を使い切るという形で妻の出産後に少し多めに休みをいただきました。具体的に言うと、子どもが生まれてから月に2~3日程度、平日に休みを頂きました。
有給の取得にとても好意的な職場だったこともあり、周りも好意的に捉えていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
そのような形で休暇をお取りになった理由を教えてください。
佐橋先生
週に1~2日間程度の育休取得・申請となると、育休扱いになりお給料が出ないため、現実的に有給を全て消化して自分のスケジュールに合わせてお休みをいただくこととしました。当時、水曜日は、比較的業務の余裕があったので有給を数日間いただきました。月に数日だけお休みをいただき、育児や家事のサポートを行うことができました。
現状、男性医師の育休取得は難しいのでしょうか?
佐橋先生
2022年からは制度改革も行われ、男性育休に対する世間の関心も強くなっていることを実感します。ただ制度や育休申請の作業は少し煩雑ですし、その期間の給与は当然減ってしまうことを考慮すると、数ヶ月以上の育休を取得するのは難しいかもしれないですね。
最近、後輩の男性循環器内科医が1ヶ月のフルの育休を取得して、こうした流れは良いことだと思っています。
子ども誕生後は、当直バイトを減らす
お子さんが生まれてから、勤務の仕方は変わりましたか?
佐橋先生
結婚や育児等のライフステージが変わるにつれて、働き方も変化させました。結婚する前は、大学病院で勤務する傍ら、当直バイトをかなりしていましたが、娘が産まれてからはバイトをかなり減らしました。
どれくらいバイトの頻度は減らしたのでしょうか?
佐橋先生
出産前は、当直バイトは週1回行なっていましたが、子どもができてからは、数ヶ月に1回程度にしました。
子どものパパは自分しかいない
育児への関わり方を教えてください。
佐橋先生
妻はフルタイムで働いていて、家に帰ってくるのが19時から20時の間と遅いです。保育園の送りは全て妻が担っていますが、週3-4日、私が18時ごろに保育園に子どもを迎えに行っています。帰宅後は子どもにご飯をあげて、入浴や絵本など身の回りの世話をしています。
18時前に業務を終えることが可能なのですね。
佐橋先生
上司や同僚に理解いただき、そのようにしています。特に同僚には感謝しています。自分の子どもを迎えにいくために業務は必死ですね。これまでに以上に必死に仕事して早く仕事を終えるように心がけています。
なるほど。医師とパパのスイッチが切り替わるのですね。
佐橋先生
8時から18時までは、医師として「誰よりもしっかりと業務をこなそう」という思いで働いています。他には当直ももちろんやっているので、その時、育児は家族や両親にお願いしています。
医師は勉強をし続ける職業
現在、仕事と育児の両立について悩みはありますか?
佐橋先生
時間的制約がある中で、どうやって育児や仕事をやりくりするかが大切だと思っています。どのような状況下でも、医師はずっと勉強をしていかなければならない職業です。隙間時間などでも、勉強時間を捻出するのは意識的に取り組んでいます。
お時間がない中で、どのように勉強をされていますか?
佐橋先生
自分の生活や育児もあり、勉強できる時間的な制限があるので、専門性を高めることに重点を置いて、特に不整脈やデータサイエンスの勉強をしています。また今後の留学のために英語も毎日勉強しています。
子育てを誰かに頼ることはありますか?
佐橋先生
子育てのサポートとして、ベビーシッターにサポートをお願いしたいと考えましたが、住んでいる地域には都心ほど多くのサービスがなく常に予約できる状況にはありませんでした。
自動掃除ロボットや自動食洗機などの家電を利用して時間を捻出しています。愛知県に住んでいる夫婦両親の助けを月に数回借りています。彼らには本当に感謝しかありません。
ベビーシッターの存在も地域格差があるのですね。
アメリカへの研究留学は妻子と一緒に
佐橋先生
僕は医師9年目になりますが、今年から研究留学でアメリカに行きます。留学は昔から行きたいと思っていたので嬉しいです。期間は2年から3年ぐらいの予定で、妻子と一緒に行きます。妻は今の仕事を一旦ストップして行きます。
臨床業務で平均点を超えながら、留学に必要な勉強をするというのは大変だと実感しています。
将来はどのようなことがしたいですか?
佐橋先生
教育と研究ですね。医師になる人数は決まっていますが、医師の数には地域差が多く、地方では常に不足しています。
循環器内科に興味を持ち、自分の育ったところで働いてくれる人が増えたらいいなと思っています。若い医学生や研修医が憧れを持って、循環器内科を選んで働いてくれるとなったらすごく嬉しいです。
悩んだら、気軽に周りに相談しましょう
最後に、後進の女性医師や女子医学生に向けてメッセージをお願いします。
佐橋先生
置かれている状況は十人十色なので、具体的なことは言えません。しかし、もし悩んだら、遠慮なく自分のメンターや友達に聞くのがいいかなと思います。みんな親身に相談に乗ってくれると思いますし、僕もそうしてきました。応援しています。
佐橋先生、ありがとうございました!
この記事のライター
さき
関東圏の女子医学生。
統計学や疫学に興味があり、将来はPhysician-scientistとして活躍したいと思っています。
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