【前編】結婚のために初期研修直後に大学院に!?その決断の背景に迫ります!
今回は、初期研修修了直後に結婚を見据えて公衆衛生大学院に進学されたご経歴をお持ちの「エスカ先生」にインタビューをさせていただきました。現在は家族の都合で海外にお住まいのエスカ先生に、これまでのキャリアや海外での子育てについて伺いました!
キャリアと恋愛……バランス取りは難しい!
さっそくですが、先生のこれまでのキャリアについて教えてください。
高校まで地元で過ごし、別の地方にある大学を卒業しました。初期研修は都内の市中病院で行い、3年目にそのまま公衆衛生の大学院に進学、その後は都内の大学病院で後期研修を開始しましたが、現在は夫の仕事の関係で海外に住んでいます。
公衆衛生大学院に進まれた理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?
もともと公衆衛生に興味があり、キャリアのどこかでは勉強したいと思っていました。初期研修中に臨床研究に興味を持ったため、本格的に進学を検討することになりました。
3年目に進学することには迷いはありませんでしたか?
後期研修の修了前か修了後、どちらがよいのかについては悩みましたね。でも、数年以内に結婚、出産をしたいという自分の希望と照らし合わせると、家族とのすり合わせが必要になる前に自分の興味に向き合いたいと思いました。そのため、初期研修後、すぐに大学院進学することを決意しました。
ライフスタイルを考えたご決断だったのですね。周りの方はどのような反応をされましたか?
メンターの方には、「学士は幅広い勉強、修士は自分の専門を決めるための勉強、博士は自分の専門を作るための研究」と教えていただいたのですが、その際に初期研修と後期研修を継続するメリットについても強く語っていただきました。そのため、私が出した答えにはあまり納得がいってなかったのではないかとも思います。
そのようなことがあったのですね。
ちなみに、そのメンターの方に「後期研修ほど忙しくない時期をつくって婚活もしたい」と小さく言ってみたのですが、私が願っているような理解はあまり得られなかったと記憶しています。
プライベートを充実させることは、自分としてはキャリアの一部として大事だと考えています。でも、第三者から見るとそうではないこともあるので、婚活したいという理由は心の奥にそっとしまい込みました。
リアルな声が聞けて嬉しいです。
ありがとうございます。王道でないキャリアを進むことは不安だったし、今でも正解にできているとは断言できないですが、参考になれば嬉しいです。
臨床を中断することは不安でしたが、情報を集め出すと、初期研修後に留学、起業、育児など、ストレートに後期研修をしない人が結構いることが分かりました。そのため、最終的には自分のやりたい事とプライベートを重視する選択ができました。
環境は一転、都内へ……医師か、そうじゃないか
ところで、エスカ先生は都内で初期研修をされたとのことですが、都内にこだわった理由はあったのでしょうか?
色々ありますが、やはり人との出会いの数というのは大きな理由の一つです。実際、今の夫も、都内で開催されたイベントで知り合ったんです。
詳しく聞かせていただけますか?
学生の頃に、都内で開催されていた勉強会で知り合いました。医学部だけでなく様々な背景の学生が集まっており、そこで連絡先を交換していたのですが、その後数年は全く連絡をとっていませんでした。初期研修中に、たまたまその勉強会の人とグループで再会する機会があり、仲良くなった事が付き合うきっかけとなりました。
医師でない方を結婚相手に選んだ理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?
大学入学前から、結婚する相手は医師でなくても面白そうだなと思っていました。違う職業の方が視野が広く持てますし、長い人生を一緒に楽しめると考えたからです。友人関係も、仕事を始めてからはなかなか分野の違う人と仲を深める機会はないだろうと思っていましたね。
業務の特性上、受動的には交友の幅は広がりませんよね。
そういうわけで、大学生の頃は、男女問わず積極的に他の学部生と友達になれる機会を探していました。社会人になってからも、自分も周りも忙しくなる中で、学生時代に仲良くなった医師以外の友人との関係が絶えないようにメンテナンスしようと意識していました。
ちなみに……エスカ先生はマッチングアプリをご利用になられたことはありますか?
今の夫と付き合う前の話ですが、マッチングアプリには興味を持っていました。ただ、実際使うことはありませんでした。グループお見合いには一度参加しましたが、全然収穫がなかったです。
視野を広く持ち、周りに囚われず
医師同士の出会いについて、率直にどのようなご意見をお持ちでしょうか?
まず、結婚にあたって「医師か、そうでないか」を考えすぎるのも違うかなと思っています。
具体的に聞かせていただけますか?
医師の価値観や仕事の理解については、相互でコミュニケーションを怠らなければ、すれ違いは起こらないはずです。例えば、忙しい業界に勤めるパートナーであれば、自分より時間がない場合もありますし……。
私の場合は「土日にしっかり遊んでくれる人がいい」という思いが結構あり、自ずとそういう思考になったのだと思います。でも、これはあくまで傾向の話であり、結局はその人次第ですよね。
確かにそうですね。
もちろん、医師と結婚する人も多いです。大学同期の女子は7-8割医師と結婚しています。東京だとだいたい半分くらいですかね。大学在学中はどうしても医学生・医師の方が知り合う機会は多いですから。ちなみに、初期研修先の同期女子はみんな医師以外と結婚しました!
居住地によっても特色があるのですね。東京は他業種の方との出会いがとても多そうです。
医局に所属して医師をやっている人は医師同士の結婚が多いです。そうではない人は医師以外のカップルが意外と多い印象を受けます。高校の同級生、初期研修中の合コンでの出会い、PTさんとの結婚、再受験生の場合は元の大学の知り合いなど……色んなパターンがありますね。
ありがとうございます!
後編では子育てや育児、出会いなどについてのアドバイスを伺います!
前編では、エスカ先生のご経歴と、結婚相手を選ぶにあたってのお考えをお聞きしました。私も将来の結婚や恋愛で悩むことが多いのですが、インタビューしていて大変参考になりました。
後編では、女性医師として働くにあたり、子育てや育児と業務の両立に関して伺っていきます。女性医師・医学生に向けたアドバイスもございます。お楽しみに!
この記事のライター
Asako
iCoiの女性ライター。医学生として学業に励む傍ら、小説家・ライターとしても活動しています。
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