【2024年10月から!】児童手当の撤廃は医師家庭の生活にどう影響する?
児童手当は、児童を養育する方に支給される手当です。現行の児童手当には所得制限があり、年収960万などの基準で受取額が減ります。政府はこの所得制限を撤廃する方向で調整しています。撤廃されたとして、医師家庭にどのくらい影響があるのでしょうか。
目次
児童手当制度とは?
児童手当は、児童を養育する方に手当を支給することにより、生活の安定や児童の健全な育成に資することを目的とした制度です。支給対象は、中学校修了前の児童を養育している方です。
しかし、現行の児童手当には所得制限がかかっており、年収960万、1200万などの基準で受取額が減ります。
詳しくは下記の内閣府ホームページで。
医師の平均年収は1000万円越え
30〜35歳医師の平均年収はだいたい1200万円、35歳以上だと1500万円くらいと言われています。育児世帯の中心年齢を考えれば、所得制限に引っかかっている家庭が多いと思います。
児童手当の年収制限が撤廃されると
児童手当は月10,000円〜15,000円の定額給付です。ここでは月10,000円が中学卒業まで出るようになると考えてみましょう。子供一人とすると、年間で12万円。15年間で、合計180万円子育てにかかる費用を減額できることになります。
医師の10万円は稼ぎやすい、なくなりやすい金額
医師のバイトは高額で、1日10万円を超えるバイトを探すのはそんなに難しくないですし、手取りを考えても2日で稼げる金額です。
また、転職で年収が数百万変わるなどザラにある話です。勤務の工夫で得られる金額に比べて12万円は小さな金額とも考えられます。
また医師家庭では子どもの教育費への投資額が一般に高いといわれ、習い事や私立校への入学となると、数百万は一瞬にして使ってしまう額でしょう。
手当は政争の具であり容易に撤廃される
もう一つ考えるべきは、手当は内閣の支持率アップの道具であり、恒久的に存在する手当とは到底考えられないということです。所得制限のかかっている世帯数は少なく、所得制限撤廃にかかる予算規模はかなり小さいのですが、「高所得者にお金を配ることは悪」とみなす国民も少なからずいます。現在の高齢者からの得票を源泉とする政治スタイルが続く限り、所得制限がいつまでもない時代が続くとは考えない方がいいでしょう。
社会保険料は上がり、子供関係の財源となる?
勤務医は社会保険制度の中では高給の部類であり、社会保険の等級が高く、多額の社会保険料を納めています。社会保険の掛け金は年々上昇傾向であり、また等級の上限も上に伸ばされています。
サラリーマンが納めている社会保険料は財源として他の社会保障費用に流用されており、子供関係の政策の財源として利用する話が出ています。児童手当の給付が増える一方、社会保険料を増やすこともあり得ると思います。こうなると、実態は給付が増えることにはならないものと筆者は予想しています。
医師の社会保険料は財源として狙われている?
麻酔科専門医の取得条件が週3日同一施設勤務に変更されたのですが、つまりこれは社会保険制度に加入せよと同一の意味です。
専門医機構は厚生労働省関係にコネクションがありますよね。ある噂では、「医師の給与は社会保険の財源として重要なので、フリーランス化して社会保険から脱退されると財源的に困る。だから専門医資格を餌に社会保険に縛り付けた」と言われています。これを信用するとすると、今後も医師の給与は社会保険の財源として狙われ続け、吸い上げがきつくなるのではないかと想像できます。
国富の観点では所得制限自体が間違った施策
別に学歴差別をするつもりはないのですが、統計上、高学歴家庭の子供は高学歴になりやすく、高学歴な人材は国の礎として国を支えます。納税額も高くなり、国際競争力も生まれ国富に貢献する人間の数は増えます。
国を豊かにしたいのであれば高学歴家庭の育児は最大に保護するべきであり、所得制限は国を豊かにする思想とは真逆の思想です。本来間違っている施策の撤廃なので評価とは程遠く、ようやく正気に戻ったね、程度の認識で妥当でしょう。
この記事のライター
KCP ニッチな麻酔科ライター
フリー麻酔科医のライターです。ニッチな麻酔の記事を書いたりしていますhttp://note.com/kcp。仕事依頼などはX(Twitter)のDMから。https://twitter.com/KCP58227768
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