育児能力を鍛えよう!孫世代まで考えた男性育児の価値
「男性の育児家事の経験は、孫ができたときに再度、価値を発揮するのではないか。」これは、男性医師である筆者が育児をするようになって感じていることです。今回は、孫育児に参加するために現役時代からどのような対策ができるのか考えていきます。
筆者は何者?
育児中はオンデマンド親族が要求される
育児をしていると、とにかくいろんなことに拘束されます。幼稚園や習い事の送り迎えは大変な手間で、時間もかかります。お迎え時間が決まっているため、職場で何があっても残業はできません。仕事内容も制約されます。
幼稚園や保育園などの育児サービスを利用する場合、発熱や怪我など、イレギュラーな出来事にも対応できることが求められます。
このようなこともあり、育児では、常時対応可能な親族がそばにいることが理想です。つまりオンデマンド親族。オンデマンドというのはすごく大変で、企業サービスで委託しようとするとすごくコストがかかります。
ここで実家の登場です。実家の支援があると育児はすごく楽になります。以前の記事でも述べたように、太い実家は最強です。
30年後、我が子は同じ苦しみを経験する
育児中の拘束の多さは構造的な問題で、おそらく解決されることはないでしょう。ということは、30年後、子供が成人してキャリアを考えるときにも同じことが発生すると思われます。あなたがおじいちゃんおばあちゃんになったとき、太い実家として活躍すれば、手塩にかけて育てた子供のキャリアをサポートしてあげられるのです。
そうわかっているのなら、今から対策した方が良いに決まっています。では、一緒に対策を考えていきましょう。
孫の育児参加は祖父母夫婦で
育児は一人で行う場合と二人で行う場合では大変さが格段に異なります。家事や育児の並行作業を一人でするのは大変であり、常時対応をするにも一人では無理があります。また、孫が二人以上いる可能性もあります。育児は人数が正義です。孫育てもおばあちゃん一人ではなく、祖父母夫婦で参加する方がよいでしょう。
では現役時代に、育児家事に参加してこなかった男性が、50代~60代から孫育児にスムーズに参加できるでしょうか。実際、育児歴のある女性ですら、ブランクのある育児に抵抗感を感じる人も多いようですから、全く育児家事をしたことのない人はそれ以上に高いハードルを超えなければなりません。
育児をしている身からすると、50代以降に初めて育児に取り組む男性は、負担感に耐えられない可能性が高いと思います。親としては頼りなさすぎて、孫を預ける気になれないかもしれません。孫の育児に参加したい場合は、現役時代に子育てする経験が必須だと思います。
医師として稼ぎきったあとのこと
話は変わって自分のモチベーションの話です。
これから活躍しようとする皆さんに問うのも変ですが、医師としての活動に満足したあとのことを考えたことはありますか?
高齢になると、医師としてのモチベーションを保つことは容易ではないように見えます。負荷の低い職場に移行していく人も多いですし、開業したきりUpdateを怠りながら惰性で続けている開業医もいっぱいいます。そもそも十分な蓄えがある場合は、いつだって現場を離れることができるわけです。
ただ、職場を失った後、家庭で育児や家事の役割がない場合は、社会での居場所を見つけることが難しくなります。そこで、孫育児などで家庭内での役割を果たすことで、社会での役割を維持することができます。現役時代に育児をすることは、自分自身の老後に向けたモチベーションへの投資となることでしょう。
孫を任せてもらうために努力することは?
現代において、実家に任せず夫婦だけで育児をしている家庭は多いです。いろんな要素があるでしょうが、おそらく実家側のほうにも原因があります。なんとなく生きているだけでは、孫育児に参加させてもらえないかもしれないのです。祖父母になる側にも努力が必要でしょう。
以下に、筆者が考える、祖父母に必須の三条件をご紹介します。
1.健康であること
案外難しいのではないでしょうか。晩婚・高年齢の傾向は今後も続くでしょうから、初孫が60代、末孫を70代でみる、なんてことも普通でしょう。健康でないと育児はできません。常に体力維持健康維持が必要です。
2.経済的に余裕があること
老後資金に余裕がなく、祖父母が仕事を頑張らなければいけない経済状況では、子夫婦はなかなか育児を頼めません。孫ができる前に生涯資産を稼ぎきり、孫育児に集中できることが大切です。
もしかしたら、30年後は国内で育児をするのがマイナーになっているかもしれません。子供夫婦の要請で海外に子育てしに行く選択肢まで考えるなら、更に余裕ある資産状況が必要だと思います。そう考えるとやはり20代から投資の経験をしたほうが有利です。
3.時代遅れでないこと
育児や衛生観念は30年前の常識とは大きく変わりましたが、現在の祖父母世代は、昔のままの観念から変化していないと感じることがあります。
また、スマホが使えないというような世代間の生活感の大きな乖離があると、一緒に生活をすることが苦痛に感じて敬遠されるかもしれません。
30年後我々がそう扱われないように、常に時代の変化についていきUpdateをし続ける必要があると思っています。
この記事のライター
KCP ニッチな麻酔科ライター
フリー麻酔科医のライターです。ニッチな麻酔の記事を書いたりしていますhttp://note.com/kcp。仕事依頼などはX(Twitter)のDMから。https://twitter.com/KCP58227768
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