看護師のお金にまつわる失敗談を共有します~不動産投資編~
看護師になると、国家資格の武器があることや、年収が500万以上ということもあり、社会的信用を得ることができます。勤続年数が長いとその分ローンの審査も通りやすくなり、資産運用の幅が広がります。今回は私が経験した資産運用の失敗談を元にお話ししていきます。
目次
はじめに
看護師は、病院という大きな組織に在籍し、年収が500万以上あるという特性上、金融機関からの社会的信用が得られやすくなります。つまり、車のローンや家のローンなどが組みやすいということです。
年齢を重ねると、資産運用やお金のことについて考えることが増えていくわけですが、そこには時たま失敗がつきまとうことも。。。そこで今回は、不動産投資にまつわる私の失敗談をお話していきます。
資産と言えば、銀行にお金を貯めているだけであった
そもそも、皆さんはお金をどのようにして貯めていますか。
若手の時の私は、お金を貯める方法といえば、銀行の預貯金しかしていませんでした。先輩看護師からのアドバイスをうけ、、病院の財形貯蓄にてお金を貯めていたこともあります。
給料が入ったら、一定の金額を別の口座に移し、好きにお金を使っていました。追加でする資産形成といえば、たまに家計簿をつけたり、500円玉貯金をする程度でした。
ストレス発散で、美容系にお金をかけることもありましたが、それでも一定の金額は毎年貯金ができていました。そのため、お金を増やすということに興味も湧かず、お金についての知識は素人同然でした。
FPさんとの出会いにより資産運用が始まった
コロナ禍の時に漠然と自分の将来について不安を感じ、当時生命保険などに入っていなかったこともあり、保険に入るために知り合いを通じてFPさんを紹介してもらいました。
保険の加入が終わった後に、資産運用についてFPさんから説明を受けました。これからの日本の経済や私たちの老後について説明を受け、老後のために資産を残すために今から動く必要性があると感じました。
当時始まったばかりのNISAやiDeCoも紹介されましたが、私は不動産投資に興味を持ち、不動産投資を始めることになりました。
不動産投資は年金対策のために始めた
看護師の中には不動産投資をしている人が少なくない印象があります。それは、看護師には社会的信用があり、病院勤務であれば、勤務3年目以上で年収500万以上になり、ローンを組むことが可能になるためです。
「私たちの世代で年金がもらえる額は大幅に減る。もしくはもらえない可能性もあるかもしれない。」
当時、ニュースでそのようなことが取りあげられていたこともあり、FPさんと相談した私は、老後の資産のために不動産投資を始めました。
不動産投資を始めてみると・・・
当時の私は年収700万以上であり、不動産(マンションの1室)を2軒購入できました。私の場合43年ローンで70歳までの支払いとなりました。
不動産購入した時の説明は以下の内容でした。
- 家賃収入とローン返済を含めても毎月プラスの利益が出る
- 毎月固定資産税を納める必要があるが、上記のプラスの利益で賄うことができる
- 10年に1回にランニングコスト(エアコンや給湯器、トイレなどの修繕費)がかかるため、何かあったときに30万円はすぐに出費できるようにする必要がある
- 引っ越しなどによる空室期間や更新料なども含めると、データー分析から43年間でマイナス43万円の手出しが出る予想。
- ローン完済時には、不動産の売却価格1200万の予想
そして、実際に不動産投資を初めて3年目頃から、居住者の退去が出始め、その際にエアコンの故障など修理費用がかかるようになりました
私は2軒の不動産を持っていましたが、仲介業者は別々であり、それぞれの対応が違うこともあり、徐々に不安を感じ始めました。知り合いを通じて、不動産会社の方を紹介してもらい、不動産の査定やこのままま持ち続けてもよいものなのか相談をすることになりました。
結果は、長く持てば持つほど、不動産の価値が下がるものであり、マイナス投資でしかありませんでした。
私の場合、不動産を購入時に家賃設定が高いため、売却するときに高く売ることができず、売却時にマイナスになってしまうということでした。しかし、購入当初は家賃が高いことでローンも含め毎月プラスの収入が入ってくるという説明を受けていたため、疑問をもつことはありませんでした。
不動産は築年数が長くなれば、価値も下がり家賃も下がっていきます。今は家賃収入とローン返済でプラスであっても、45年ローンの間に不動産の価値も下がっていることにきちんと理解が追いついていなかったのです。
マイナスでしかない不動産を売却することに
結局、持っている不動産を5年で売ることになりました。
一件の不動産を例に、5年間の概算を出してみました。
概要 | 金額 |
---|---|
購入時の頭金 | 17万円 |
初年度のみ不動産所得税 | 15万円 |
家賃収入とローン支払い差し引き | +5,000円/月 |
固定資産税 | 約6万円/年 |
退去に伴う改装費・空室代など | 約33万円 |
確定申告時の税理士依頼料 | 約2万/年 |
還付金 | +10万円/5年 |
売却時の手出し金 | 約280万円 |
合計 | 約300万円の損失 |
年金対策のための購入した不動産ですが、結果的には失敗しました。
私が今回売った不動産は買い手が集まらなかったようです。そのため、仮にローン完済をしていても、そのときにはさらに不動産価格は大幅に減少し、負債だけを抱えることになっていたでしょう。
実際、購入した時の説明では、ローン完済時の不動産の価値は1200万円の予想でした。しかし、蓋を開けてみると、5年目で不動産を売却した時の価値は購入時より300万円下がった、1500万円の価値でした。5年間で300万円も価値が下がったたにも関わらず、38年後、1200万の価値になるでしょうか。今思うと不動産を購入時に疑問に上がる点があったと思いますが、当時は知識もなく、担当者の話のみしか情報源がなかったため、購入してしまったのです。
不動産会社にはそれぞれの役割があるらしい
不動産会社には売る専門と買う専門に分かれるため、部署が全く違うそうです。私が購入した時の買う専門の不動産会社の場合、購入した不動産をどのように運用していくのか、出口戦略を立てるなどは、また担当が別ということを知りました。そのため、私は不動産会社に騙されたわけではなく、買う専門の不動産から購入しただけということです。そのため、資産運用としての不動産を持つのであれば、別の不動産会社から買う必要がありました。
これからは、資産運用をするための不動産会社の担当者と話をしながら、5年で今回の手出し金を回収する予定です。
医療従事者にとって、周りも医療関係者しかいないため、不動産のことについてt知識が少ない場合、頼る人は初回の担当者しか信用する人がいません。そのため、担当者の話しか情報がなかったことも、不動産投資で失敗した原因です。
ちなみに、唯一資産が増えたものは・・・
私が唯一、資産投資として上手くいったものはゴールドでした。私がゴールド貯蓄を始めたのは9年前になります。
何か貯蓄をしたいなと思った際に、兄弟にボソッと言ったところ、ゴールドにすればと言われました。その言葉を信じて、ネットで調べてゴールドの積立てを始めました。最低の積立金の毎月3,000円から始めました。お小遣い程度で当初始めましたが、始めた当時はゴールドは1g5,000円程度の価値でした。
しかし、今は1g14,000円前後であり、価値は倍になりました。
仕事が忙しく、ゴールド貯蓄をしていたことを忘れており、気づいたら積立金が大きく増えていました。ゴールドの価値がこれからも上向きである以上、お楽しみ程度にゴールドの積み立ては続けようと思っています。
医療従事者は不動産で失敗しがち
今回は、私の不動産の失敗についてお話をしました。看護師や医師には社会的信用があるため、お金関係の話をされることは多いかと思います。そこには落とし穴もあり、今回不動産投資で私が経験した内容は、私以外にもよく起きていることだそうです。
資産運用を考える上で、今回の私の失敗談を参考に、気を付けていただきたいと思います。次回は、“看護師のお金にまつわる失敗談~保険加入編~”を楽しみにしていてください。
この記事のライター
楊
看護師歴10年以上、医療現場の世界しか知らない。以前は身も心もボロボロになりながら働いていた。自分らしく生きるために執筆を開始しライターとして活動中。
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