【イギリスで働く看護師直伝!】忙しい看護師時代にどうやって英語を勉強したのか
今ではイギリスで看護師として働いている私にも、英語が全く話せなかった看護師時代がありました。忙しい毎日を送りながらどのようにして英語を話せるようになったのか、また、英語が人生を豊かにし、世界観を広げる手段となったエピソードをご紹介したいと思います。
英語って話せた方がいいの?
ここ数年、医療現場で海外からの患者が増えていることを、臨床の場で強く実感することが多くなっているのではないでしょうか。日本でも数年前と比べて多様化が進み、海外からの観光客が大幅に増加したことで、病院内でも英語を話せる医療従事者が一層重宝される存在になると考えられます。
しかし、テクノロジーの進展により、翻訳機を利用して海外の方々と容易にコミュニケーションを取ることも可能です。英語を第二言語として話す私から見ても、翻訳機の方が正確な英語を使用できるのではないかと感じることさえあります。
それにもかかわらず、なぜ私はあれほどまでに英語を話せるようになることに夢を抱いていたのでしょうか。それについて少しお話しさせていただきたいと思います。
英語なんてまったく話せなかった学生時代
中高と義務教育を受けてきた私にとって、英語の授業が全くなかったと言うのは嘘になります。週に1、2回の授業があり、今振り返ってみると、ただひたすら単語を覚え、テストのために勉強していたものでした。机に向かい、英単語の暗記や文法の学習に力を注ぐ、まさに平成時代の日本の英語教育システムに完全に飲み込まれていたのです。それでも英語の授業は好きでした。
しかし、話すことや聞くことはほとんどしてこなかったため、社会人になって初めて英会話教室に通った時には、「Do you like~」のような簡単なフレーズすら言えず、10段階中最も下のクラスに振り分けられました。非常に屈辱的な経験でしたが、それが私の英語学習の始まりでした。この時は、まさか5年後にイギリスで完全に英語だけの環境で看護師として働くことになるとは、夢にも思っていませんでした。
どうやって英語を勉強したのか
私がまず始めたのは、ひたすら英語を耳に入れることでした。人間が赤ちゃんの頃に言葉を話し始めることができるのは、それまで周りの大人が話すのを耳で聞いているからです。まずは耳で聞くことが、言語を習得する上で大切な第一歩となります。私は通勤中や空いた時間に、英語で話されているPodcastをひたすら聴いていました。出勤前には、ほぼ毎朝YouTubeでイギリスのニュース番組、BBCのSky Newsを観ていました。内容が理解できるかどうかは関係なく、ただBGMのように耳に入れることを心がけていました。休みの日など、集中して聞ける時間があるときには、TED Talksというさまざまなテーマについて専門家が話す30分から1時間の番組を見ることもよくありました。
また、とにかく人と話すこと、特にネイティブまたはそれに近いレベルの人と話すことが重要だと思います。課金してオンライン英会話を受講するのも一つの方法ですし、無料のランゲージエクスチェンジアプリで相手を見つけるのも良いでしょう。(ただし、こうした無料アプリでは、恋愛目的で近づいてくる人も一定数いるため注意が必要です。)Meetupというアプリを使ってイベントに参加し、仲の良い友達を作ることもおすすめです。
しかし、最も効果的なのはパートナーを作ることだと思います(笑)。自分の意見を遠慮なく言える相手と毎日のように話すことが、上達への近道だと思います。
英語を話せるようになって変わったこと
もちろん、テクノロジーの進化により、翻訳機などの便利なツールを使って会話をすることができる人もいるでしょう。しかし、英語を話せるようになったことは、私のこれまでの人生の中で最も大きな成果の一つであったと自信を持って言えます。現在、夢であった海外移住を果たし、自分の好きな環境で生活し、さまざまな国の友人や同僚に出会い、文化や言語、宗教などについて話し合う刺激的で楽しい日々を過ごしています。
英語を話せるようになってから、情報の取り入れ方も大きく変わりました。もちろん、翻訳を通じて日本語で理解することも可能ですが、英語で書かれた情報やニュースは、他の言語で書かれたものと比べても、この世界で最も多く普及しているでしょう。私はオンライン上の情報だけでなく、本などからもさまざまな知識を取り入れることで、自分の世界観が大きく広がったと感じています。
続けることが成功の鍵となる
英語を始める理由は、どんなものでも良いと思います。何事もそうですが、続けることが大切です。「英語が話せない」と嘆く人は、途中で諦めてしまっているだけだと思います。私の好きな言葉の一つに"You can be successful as long as you do not quit(諦めない限り成功できる)"というものがあります。どんなことでも、諦めない限り成功は可能だという意味です。
英語を話したいけれど、何から始めたら良いかわからないという人がいるなら、まずは自分に合った方法を見つけ、それを続けることが大切だと思います。映画が好きな人は英語で映画を観てみる。世界情勢に興味がある人はニュースを英語で読んでみる。歴史が好きな人は英語で歴史を学んでみるといったように、英語を自分の好きなことのツールとして活用するのです。そして、最も大切なアドバイスは、楽しんで英語を学ぶことです。「英語を勉強している」というよりも、「楽しいからやっている」というマインドを持つことが、成功への鍵だと私は感じます。
この記事のライター
Haru
東京で生まれ育ち、大学卒業後、都内病院でICU看護師として働く。3年目で退職し、オーストラリア、シドニーに語学留学へ。その後2021年にイギリスへ渡英し、2023年英国看護師免許を取得。現在ロンドン国営病院の胸部外科病棟に勤務。趣味は、旅行、アウトドア全般、スポーツ観戦、映画鑑賞、読書。 https://note.com/haluuuuu64/ イギリスの看護師事情についてのブログや英国看護師を目指す方へ相談を中心としたサポートをしています。
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