看護師×子育ての両立はできるの?~ママナースが抱える悩みをご紹介~
病院の中には、保育園と連携していたり、子育てをする看護師にとって条件の良い福利厚生がついていたりします。一方で、保育園と連携していない病院がほとんどです。そんな状況下で、ママさん看護師たちは勤務をしています。今回は、ママさんたちの苦悩などをお話していきます。
通常勤務をすることの大変さ
育児休暇から職場復帰したママさん看護師の多くは、時短勤務を選択しています。朝は出勤前に子どもを保育園へ送り、仕事終わりにはお迎えに行くという日課をこなさなければならないからです。
通常勤務の場合、予期せぬ残業が発生して保育園の延長保育料が発生してしまう懸念もあります。配偶者からの支援があれば保育園の送り迎えを分担することも可能ですが、旦那さんの勤務状況や職場環境によって、協力を得られない家庭も少なくないでしょう。特に医師の場合は顕著ですよね。
こうした状況の中で、幼い子どもがいながらも通常勤務(フルタイム)で働くママさん看護師たちは、仕事と育児の両立において、時間的制約や心理的負担を抱えながら日々奮闘しています。
土日勤務はなかなか難しい
保育園は土日がお休みなので、子育て中の看護師さんたちは子どもを預けられる平日勤務が基本になります。時短勤務の看護師さんは、普段は土日勤務がほとんどありませんが、子どもの急な発熱で休んでしまったり、月の勤務日数が足りなくなったりした時は、調整のために土日出勤することもあります。
土日は平日に比べて看護師の数が少ないため、入院患者さんへの対応が忙しくなると、どうしても残業が発生してしまいます。そのため、土日勤務をこなすには子どもの世話をしてくれる旦那さんの協力が必要不可欠です。もし旦那さんの協力が得られないと、土日勤務のシフトを組むことが難しく、看護師としての仕事に支障をきたしてしまいます。
やっぱり、旦那さんが家にいても、頼りになるのはママさんなんだと思いました。
夜勤との両立は厳しい
小さなお子さんがいるママさん看護師への配慮として、通常勤務でも残業をせずに定時で帰れるよう調整している施設が多いでしょう。私が働いている施設では、ママさん看護師は基本的には日勤帯での勤務が中心で、夜勤は月1回程度に抑えられています。しかし、夜勤は15時すぎからの出勤となるため、その日は子どものお迎えができず、旦那さんの協力が必須となります。
一般的な看護師は月に5-6回の夜勤があり、体も慣れているようですが、月1回程度しか入らないママさん看護師にとっては、体のリズムが作りにくくむしろ体力的な負担が大きくなります。
そして夜勤明けで朝9-10時に退勤しても、帰宅後は家事や子どものお迎えなどがあり、十分な休息が取れないため、心身ともに大きな負担がかかってしまうようです。
子どもの急な体調不良による有休消化
小さなお子さんがいるママさん看護師は、子どもの急な体調不良で仕事を早退したり休んだりすることが多く、その際は有給休暇を使用することがほとんどです。
しかし、子どもの体調不良の頻度によっては有給休暇の残りが少なくなってしまうこともあります。病棟の入院患者さんが少なく看護師の人数に余裕がある時は、有給休暇の消化を促すため、翌日の勤務を休みにしたり午後休にしたりすることがありますが、その候補として真っ先に挙がるのがママさん看護師たちです。
ただし、子どもの急な体調不良に備えて有給休暇を温存しておきたいママさん看護師が多く、なかなか自由に有給休暇を使えないのが現状です。
部署内で協力し合うことが大事
「ママさん看護師は定時で帰らせる」
このような部署内での共通認識は大事だと思います。早く仕事が終わった人が、ママさん看護師の仕事を手伝ったり、残業をしないように帰すという気持ちが大事だと思います。
誰か一人が行動するよりも、部署内で協力し合うことで、ママさん看護師が働きやすい部署を作ることが大事だと思います。急遽帰らなければいけなくなっても、休みになっても、気持ちよく休めるようにすることが大事だと思います。
ママの働きやすい環境はみんなにとっても働きやすい
近年、多くの病院がママさん看護師の働きやすい環境づくりに力を入れています。しかし、救急対応が多い病棟や、急性期病棟など、業務が繁忙な部署では、周囲への気遣いや精神的なプレッシャーから、子育て中の看護師が働きにくさを感じることもあります。
一方で、外来や療養型病棟、回復期病棟など、比較的業務の予測が立ちやすい部署では、ママさん看護師が働きやすい環境が整っていることが多いようです。このような部署がある病院は、看護師全体にとっても働きやすい職場環境が整っていることが多く、スタッフ間の理解や協力体制も充実しています。
実際、院内保育施設の設置や、育児支援制度の充実、柔軟な勤務シフトの導入など、子育て中の看護師への配慮がある病院では、職場の雰囲気も良好で、看護師の定着率も高い傾向にあります。就職や転職を考える際は、ママさん看護師の在籍状況や支援制度の充実度を確認することで、自分に合った働きやすい職場環境を見つけることができるでしょう。
この記事のライター
楊
看護師歴10年以上、医療現場の世界しか知らない。以前は身も心もボロボロになりながら働いていた。自分らしく生きるために執筆を開始しライターとして活動中。
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。