看護学生の苦悩:実習時のハラスメント問題とその対応や解決策を考える
最近のニュースなどで看護学生のパワハラ問題など取り上げられていました。看護師歴10年以上経ちますが、看護学生の時代は本当に辛かったという印象が強いです。病院実習に、テスト勉強、国家試験勉強など、今回は看護学生の苦悩についてお話していきます。
はじめに
世の中では職場内のパワハラ問題などよく耳にします。看護学生へのパワハラ問題も最近ニュースに取り上げられており、看護学生時代の苦悩について私の経験を元にお話していきたいと思います。
時間に追われる看護学生の日々
看護師になるための看護学校には、4年生大学や3年間の専門学校、高校からの5年一貫看護師養成課程での3つの方法があります。高校からだと最短20歳で看護師になることができます。
専門学校だと大学に比べて1年少ない分スケージュールが詰め込んでおり、2・3年生から実習とテスト勉強に追われる日々になります。3年生から国家試験の勉強ができると思っていても、3年生でもまだ実習が続き、病院実習やテスト勉強、国家試験の勉強を両立するのは精神的にも肉体的にも追い込まれます。
また生活費の足しや小遣い稼ぎのためにバイトをしなければいけない学生にとっては、バイトをしながら限られた時間の中で、病院実習やテスト勉強をしなければいけない状況になります。
実習もしながら、テスト勉強するのは本当に大変でした。
看護学生特有の病院実習の辛さがある
病院実習では、毎回分野が違う実習のため、勉強の内容も新しく学ぶことも多く、実習の内容についていくのに精いっぱいになります。私の時代はまだ紙で記録や自己学習したものを提出していたため、手書きは時間がかかり本当に大変でした。パソコンの使用ができるようになりましたが、セキュリティーの問題で管理や手続きも大変であったため、ほとんど手書きでしていました。
他の学生やグループと協力しながら、資料を共有したりすることで、事前学習にかける時間を減らしたりなど、なんとか実習を乗り切っていました。また、色んな病院へ行くため、自宅から遠い病院だと朝早くに家を出て、帰ってきたら自宅で予習、復習や課題を行う日々が続きます。
実習は、看護師さんの勤務時間のスケジュールとほとんど同じです。病院実習中には、検温や手浴、足浴などを行います。もちろん陰部洗浄やおむつ交換なども行います。ケアの内容は少ないですが、学生の身としては肉体的労働をしていることと一緒です。
実習病棟や担当の看護師さんが怖い印象の人たちだと、精神的ストレスもプラスされるため、実習が苦痛になります。病院実習では、学生の身であるにもかかわらず、専門知識を含めた質問をしてきたり、受け持ち看護師さんに患者さんの報告をする際に、背を向けたままだったり、相槌がなかったりなどの看護師さんがいました。
業務が忙しいのかもしれませんが、挨拶を無視されることはよくありました。印象が良い病院が実習先だと気持ちも軽くなりますが、そうでないと精神的に苦痛であり、今の時代に当てはめると、当時のことはパワハラ指導にも繋がっていたと思います。
学生の時は、看護師から「お疲れ様」や「頑張ってね」など、新人看護師に気を遣うような声掛けをしてくれた看護師や病棟に対しては、辛い実習でも頑張ることができていました。
教員の心遣いが学生には必要
私の場合、3年間の専門学校の中でクラス替えはありませんでした。しかし、実習のグループは1クールごとに変わります。また担当の教員も変わるため、折が合わなかったり、厳しい教員が担当になることもあります。
地元を離れている看護学生はほとんどが一人暮らしのため、身近に相談相手がいません。病院実習やテスト勉強など、追い込まれている学生に対して声掛けをしてくれる教員だと距離感が縮まり、病院実習でも安心感があります。
また普段の学校生活でも、イメチェンした学生や髪色が変わった学生に気づいて声を掛けてくれる教員だと親しみがわきます。
実習先の病院や病棟が怖いという噂の病棟だったりすると、委縮してしまったり、看護師に声を掛けづらかったりします。そのため、実習中は、他愛もない話をしてくれる教員や学生の緊張を解してくれるような教員が必要です。
学生時代は共に頑張る仲間が何より大切
学校の中には、現役で大学や専門学校を合格した人と社会人経験をしてから合格し入学する人に別れます。現役で合格をし、親元を離れた学生は初めて一人暮らしをします。その中にはホームシックになる学生もいると思います。
そのような状況で、病院実習やテスト勉強などしなければいけません。授業内容も専門分野になればなるほど、難しくなりテスト勉強など時間に追われる日々で、単位を落とさないようにするのは精神的にも追い込まれ、繊細になっていることもあります。そのため、実習先や教員などの他愛もない発言で傷つくこともあります。
学生時代、病院実習やテスト勉強、国家試験の勉強を頑張ることができた理由は、周りの友達も同じ状況であり、切磋琢磨できたからです。病院実習の時には、経験した分野の資料などを共有し、それぞれ協力しながら乗り越えていました。
国家試験の勉強は一番追い込まれますが、学校内で一緒に勉強したり、テストを出し合ったりしていました。またストレス発散の時は一緒に遊ぶことで時間を共有し、どんどん絆が深まっていきました。
ストレス発散したり、勉強を一緒にしたりと看護学生時代は友達が大切だと思いますが、男子学生はより条件が厳しい中で学生時代を過ごさなければいけません。そのため、学生に対し気を遣ってくれたり、気軽に声をかけてくれる教員の存在が大きいのです。
さいごに
看護学生は時間に追われながら、病院実習やテスト勉強をこなしています。病院実習をしながら国家試験の勉強もしなければならず、精神的にも肉体的にも追い込まれています。男子学生はよりストレス社会の中で頑張っています。病院内で実習中の看護学生を見かけたら温かい目で見守ってあげてください。
この記事のライター
楊
看護師歴10年以上、医療現場の世界しか知らない。以前は身も心もボロボロになりながら働いていた。自分らしく生きるために執筆を開始しライターとして活動中。
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