海外看護師の給料ってどれくらい?イギリスで働く日本人看護師が説明!

こんにちは、Haruです。私は新卒から都内の総合病院で病棟看護師として働いてきましたが、途中医療過疎地域で応援ナースとして働き、今はイギリスの病院で働いています。それぞれの給料がどれくらいなのか、私の経験をもとにお伝えしていこうと思います。

海外看護師の給料ってどれくらい?イギリスで働く日本人看護師が説明!

目次

  1. 都内総合病院の看護師は2年目で500万円over
  2. 医療過疎地域で働く「応援ナース」は稼げる!
  3. イギリス看護師の給料は高いが物価も高い
  4. 看護師のワークライフバランスはイギリスが日本に圧勝

都内総合病院の看護師は2年目で500万円over

私は大学を卒業し看護師免許を取得して、新卒で都内にある総合病院に就職した。主な業務は病棟看護師で、日勤、準夜勤、夜勤の3交代シフトで業務をこなしていた。

年次にもよるが、当時の給料は手取りで月25〜30万であった。そして、年に2度ボーナスとして4ヶ月分くらいの給与がプラスで貰えていた。そのため、年収は看護師2年目の時には既に500万を超えていた。

20代未婚実家暮らしの私が生活するのは十分な金額であったと思う。当時、私は実家に毎月数万円とお金を入れるだけで、家賃や食費などの出費もほぼなかったので、貯金も割としていたし、好きなものを買ったり、旅行に行ったり、不自由ない生活をしていた気がする。

今の時代、賃上げは進んでいるけれど、若干24歳で500万円以上稼げる職業はなかなかないと思う。

医療過疎地域で働く「応援ナース」は稼げる!

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私は2020年以降のコロナ期間中、人口密度の高い都会にいてもリスクが高く、自分の思うような暮らしもできないと考えたので、北海道の医療過疎地域にある病院で「応援ナース」として9ヶ月間働いていた。

応援ナースとは、人手の足りない病院へ期間限定で出向き、チームの一員として働くものである。場所にもよるが、給料は高く、寮が無料で支給されたり、休みの日は旅行気分で観光できたりと良いことだらけだ。

私は北海道の南部に位置する洞爺湖という、以前G7サミットが行われた場所でも有名な地域で📣ナースとして働いた。人手が少なく大変であったが、その分、その時の給料は月60万を超え、なんと手取りで45〜50万もらっていた。夜勤も多く、休みも少ないが、とにかく短期間で稼ぐという面では優れていた。

私はこの9ヶ月で、十分に遊びながらも、100万以上の貯金が貯まった。しかし、医療過疎地域で夜勤もある看護師としての生活を一生続けることは難しいと感じた。このような地域で医療者として働いている方のことは尊敬の気持ちで一杯だ。

イギリス看護師の給料は高いが物価も高い

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現在はロンドンの病院で看護師として働いている。

ロンドンの病院での月にもらえる給料は、手取りで2400ポンド程度(現在のレートで約44万円)となる。これには、基本給にプラスで夜勤手当、休日手当等が含まれている。悪くない金額をもらっていると思う。

しかし、イギリスにはボーナスという概念は存在しない。そして物価や家賃は日本の2倍程度する。例えば、コーヒー1杯の値段は、普通のカフェでも700円〜1000円。そう考えると、日本で看護師として働いて暮らすのとあまり変わらない、または少し余裕のない生活をしているかもしれないとも考えられる。

良いことは、イギリスの看護師は基本的に1シフト12時間勤務となり、週3日勤務になる。そこでBank Shift(バンクシフト)と呼ばれる、自分が休みの日に人手の足りない病棟で働くいわゆる休日出勤のようなことができる。それをすることで月の給与プラスにプラスで稼ぐことができるというわけだ

看護師のワークライフバランスはイギリスが日本に圧勝

そういうわけで、日本にいても看護師としてそれなりの給料を稼ぐことは可能だし、余裕のある生活をすることができる。

それなのに、私はイギリスで働き続けている。それは、やっぱりワークライフバランスの問題だ。欧州の人々は、仕事をしながらもしっかり休み、私生活を大切にする考えを持っている。

ヨーロッパの他の国へ行く航空券はとても安いため、私も月に一度は旅行に行く。それでも月平均で500ポンド(約9万円)くらいの貯金はできている。

この国に来て思ったのは、自分の人生において何に価値を置いているかということだ。

ヨーロッパは国にもよるが、アジア、北米と比べて、いかに仕事をせず、人生を楽しむか。という文化があるように感じる。日本にいた時は、給料は他の職種と比べて多少良かったように感じるが、休みの少なさや残業の多さから、自分はただ仕事をするために毎日必死に生活しているように感じることもあった。だから私は今の生活にとても満足している。

日本で看護師として働いている方で、現状の働き方に葛藤のある方は、是非ヨーロッパで働くことを考えてみてほしい。

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Haru

この記事のライター

Haru

東京で生まれ育ち、大学卒業後、都内病院でICU看護師として働く。3年目で退職し、オーストラリア、シドニーに語学留学へ。その後2021年にイギリスへ渡英し、2023年英国看護師免許を取得。現在ロンドン国営病院の胸部外科病棟に勤務。趣味は、旅行、アウトドア全般、スポーツ観戦、映画鑑賞、読書。 https://note.com/haluuuuu64/ イギリスの看護師事情についてのブログや英国看護師を目指す方へ相談を中心としたサポートをしています。

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