「もう辞めたい...」でもちょっと待って。新人看護師時代の苦難を乗り越えるために

新人看護師なら誰でも感じるであろう日々のストレス。当時の私はどのようにその苦悩の日々を乗り越えたのか紹介したい。これを読んで、同じような悩みを抱えている若手看護師の方の支えになったり、ストレス発散に繋がればとても嬉しい。

「もう辞めたい...」でもちょっと待って。新人看護師時代の苦難を乗り越えるために

目次

  1. 教科書を現場で求められることには乖離がある
  2. お局からの制裁はメンタルを削られる
  3. 同期の存在があまりにも大きい
  4. お気に入りの先輩を見つけることも大事
  5. 仕事のことは考えすぎないように
  6. 自分の代わりは必ずいる、だから休んでも大丈夫
  7. 辛いときはいつかは必ず終わる

教科書を現場で求められることには乖離がある

私自身、学生時代の勉強量は結構多かったと自負している。しかし、それにもかかわらず、実際の臨床現場では知識不足を痛感した。教科書と現場で求められることの乖離に、とにかく頭を悩ませた。

私は特に、ICU配属だったこともあり、クリティカルケア領域の新しい知識が求められた。超急性期看護、医療機器の使用法、薬剤名など、学ぶべきことは多岐にわたった。仕事以外の時間も課題に費やし、慣れない環境でのストレスフルな勤務と疲労が重なる日々だった。

お局からの制裁はメンタルを削られる

どこの職場にも一人はいるであろう、お局。クセのあるベテラン看護師で独特の雰囲気を持つ。お局は特に新人看護師に厳しい、また好き嫌いがはっきりしており、お局に目をつけられるとめんどくさい。

そのため、新人看護師なら特に気を使って接する必要がありそれもまた私たちの心身の疲れを引き起こす原因となる。私は特に人に媚を売ったりするのが苦手な性格のため、お局からは目をつけられることが多かった。夜勤明けに患者のいない病室に呼ばれ、私の態度が気に入らないという内容で1時間説教を受けることもあった。あの時間、自分にとって何か良いことはあったのか、と今でも思うのだけれど、その明確な答えが見つかったことは一度も無い。

同期の存在があまりにも大きい

そんな新人看護師時代、私を支えたのは同期の存在だった。過酷な環境で戦う戦友のようなものであったと思う。

大変だったこと、先輩に嫌なことをされた時など、同期同士でとにかく全て共有した。休みの日にも集まり、仕事以外の私生活での関わりも増えていった。嫌なことも時には笑い話になったり、同じような経験を同期もしていることがわかって、気持ちが楽になったことも多くあった。

私は特に同期には恵まれていたと思う。その職場を離れて5年の月日が経ったが、いまだに連絡を取り合い、年に一度は必ず会う仲になっている。いろんな同期の形があり、もちろんあんまり合わないな〜と感じる人も中にいるかもしれないが、一期一会の出会い、少なからず一緒に辛い時期を乗り越えてきた仲間は特別な存在になると思う。

お気に入りの先輩を見つけることも大事

先輩の中には話しやすくて優しい先輩、なるべく関わりたくない先輩、雲の上すぎて関わることも少ない先輩といったように様々いる。その中でもプリセプティ(主に3年目以上で新人看護師の仕事上や時には私生活での悩みや相談にのったり、新人教育に携わる先輩看護師)や、話しやすい先輩と仲良くなることは大きなアドバンテージになる。

特に歳の近い先輩は新人の看護師からしたら心強い存在になる。同じ経験を新人時代していることが多いので気持ちを理解してくれたり、多岐に渡りアドバイスをくれる。一般的な疾患の理解や治療内容のこと以外にも、この先輩にはこう接するのがいいといったことや、この先生はこういう時に機嫌が悪くなるから気をつけて!など、働く上でとても大切な情報を共有してくれる。

このような先輩とは夜勤明けや仕事終わりに一緒にご飯に行ったり、時には一緒に出かけたりと仕事以外でも関わりを持っておくと心強い。

仕事のことは考えすぎないように

仕事中はまだしも、休日はとにかく仕事以外の時間は仕事のことを考えず、満喫する。家族や友達、パートナーと自分の好きなことをして楽しい時間を過ごす。一人で旅に出たり、ぼーっとする時間を持つこともあるだろう。

とにかく、オンオフをつけて生活するのが大切だと思う。特に新人時代は仕事が終わってもずっと仕事のことを考えていたり、勤務前日の夜は仕事に行きたくないなーと気持ちが落ち込んだり、変に緊張していたこともあった。そんな時は、今どんな考えてもどうせ明日になったら仕事に行かなきゃいけないんだし、この落ち込んでる時間が無駄だと切り替えるようにしていた。

自分の代わりは必ずいる、だから休んでも大丈夫

日本のワークカルチャーの一つでもあるだろう、少し体調が悪くても仕事に行く。周りに迷惑をかけたくないからとにかく休まず働く。私は今イギリスで看護師をしているが、私が思う日本と欧米諸国の文化の大きな違いの一つは、こちらの人たちは少し体調が悪いと休み、とにかく自分の身体を第一に考えているように感じる。

それにより周りの人がカバーしなければいけないことが増えるのも間違いないが、休みやすい環境、雰囲気のある労働環境は魅力的であると私は感じる。自分もその風潮に合わせることができ、変なプレッシャーがないからだ。(たまに絶対仮病だろうなという休み方をしている同僚がいるのも確かだが)体調が悪い時は周りのことは気にせず、しっかり休みことが大切だ。自分の代わりは必ずいる

辛いときはいつかは必ず終わる

結局、その辛い日々は長くは続かない。一年目を乗り越え、後輩ができるとある程度のことはよくなっていく。一人でできることも増えていき、先輩看護師、お局の目は後輩により向けられ、より自立していく。

辛い時は、このことを思い出してほしい。きっとこの辛い日々もいつか終わり、笑い話になったり、充実した日々だったと感じる時が訪れるだろう。自分なりの乗り越え方見つけ、どうか充実した日々を過ごしてほしい。

Haru

この記事のライター

Haru

東京で生まれ育ち、大学卒業後、都内病院でICU看護師として働く。3年目で退職し、オーストラリア、シドニーに語学留学へ。その後2021年にイギリスへ渡英し、2023年英国看護師免許を取得。現在ロンドン国営病院の胸部外科病棟に勤務。趣味は、旅行、アウトドア全般、スポーツ観戦、映画鑑賞、読書。 https://note.com/haluuuuu64/ イギリスの看護師事情についてのブログや英国看護師を目指す方へ相談を中心としたサポートをしています。

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