大学院在学中に結婚・出産!当時の生活と現在のワークライフバランスに迫る!
今回は、ブログ「女医ママの一人娘、同業夫、ネコとのお気楽な日々♪」を運営されているマメコロ先生にインタビューしました。大学院在学中の出産・育児をされたエピソードから、現在の家庭での家事・育児の分担についてなど、沢山のお話を伺いました。
目次
現在は育児と臨床を両立中のマメコロ先生
さっそくですが、マメコロ先生のこれまでのご経歴を教えてください。
2003年に関東地方の某国立大学医学部を卒業後、同大学内科系ローテーションで初期研修を行いました。その後、同大学の内科系診療科の医局に所属し、一般病院を回りました。医師8年目に同大学の大学院に進学しました。大学院卒業後から現在に至るまで、関東地方の機関病院に勤務しています。
ご結婚はいつ頃されましたか?
大学院在学中に、同じく医師である夫と結婚し、その後まもなく出産しました!
夫とは30歳の頃に勤めていた職場で出会い、34歳の時に結婚しました。
夫とは30歳の頃に勤めていた職場で出会い、34歳の時に結婚しました。
現在お子さんはおいくつでしょうか。
娘は現在小学生です。就学するまでは保育園に預けていました。
大学院と結婚・出産の相性はGood!
よろしければ、ご結婚に至った経緯について教えてください。
妊娠をきっかけに結婚しました。 妊娠時、すでに後期研修(当時のレジデント)は終了し、専門医資格も複数取得済みでした。大学院在学中で臨床の仕事をしていなかったので、妊娠が仕事へ影響することはなかったと言って良いと思います。
大学院生と出産・育児の両立はいかがでしたか。
当直やオンコールがなく時間の管理をしやすいため、育児をするには最適な環境だったと私は思います。さらに学位も取得できますが、これが役に立つかどうかは人それぞれです。
大学院在学中の出産ならではのエピソードはございますか。
産前産後で合計半年間、遠慮なく通学や外勤を休めたのはメリットかもしれません。産前2ヶ月、産後4ヶ月の休暇をいただきました。
一方で大変なことも少なからずあります。当時in vitroの研究をしていましたが、育児と両立できるように実験の予定を立てるのが大変でした。
一方で大変なことも少なからずあります。当時in vitroの研究をしていましたが、育児と両立できるように実験の予定を立てるのが大変でした。
医師同士夫婦の最大のメリットは経済的安心感
先生は、医師同士での結婚のメリットは何だと考えますか?
最大のメリットはやはり経済面だと考えています。医療過疎地域で働いていることもあり、経済的に余裕を持った生活ができると感じました。万が一、自分が働けなくなった際の安心感も大きいです
医師同士での結婚で大変だったことはありますか?
結婚自体は特に問題ないと思いますが、育児が始まると勤務体制の調整が必要になります。子どもが小さい頃は、急な発熱や病院受診、お迎え、保育園や学校のお休みなど、予期しない出来事もありました。
医師夫婦の子育てはキャリア設計にも影響するのでしょうか。
子どもが小学校中学年くらいまではそのような生活が続くため、第2子、第3子と続くとかなりの年数を要します。夫婦いずれか、たいていは妻が仕事を制限するケースがほとんどだと思うので、出産年齢が若いとその後のキャリアに支障を来たす可能性があると思います。
当たり前ですが、理想のキャリア形成と出産のタイミングの兼ね合いは悩ましいんですね……
現在は夫婦共に常勤医。お互いの性格を考えて。
先生の現在の働き方を教えてください。
出産後大学院を卒業してからはオンコール・当直なし、パートタイマーのように定刻で働く常勤医です。外勤は勤務先の病院から依頼された検診や往診もしています。最近は講演会の依頼をいただくこともあります。
家事・育児はご夫婦の間でどのように分担していますか?
夫はフルタイムで勤務しオンコール、当直もやっていますので、私が家事、育児の多くを担っています。夫婦で仕事を制限してしまうと、二人ともキャリアアップや収入に支障を来たすことになります。仕事内容や収入、得意不得意などお互いの性格なども考えての判断です。
他に、子育てのために夫婦で協力されていることはありますか。
お互い外来担当の曜日が合わないように調整し、平日子供の急なお迎えが必要になった時は外来を担当していない方が対応するという工夫をしています。
医師のキャリアアップと家庭の時間:悩ましい選択
お子さんとの時間は、どのように取られていますか。
自分の医師としての責務やキャリアアップを考えると、もっと仕事に時間を割きたい気持ちはあります。しかし、娘はまだまだ親と一緒にいたいようで、ジレンマを感じます。
娘は保育園も小学校も常に早朝から日没まで預けっぱなしのため、娘が家にいる時はほぼ一緒に過ごしています。
娘は保育園も小学校も常に早朝から日没まで預けっぱなしのため、娘が家にいる時はほぼ一緒に過ごしています。
診療科によっても、お子さんとの関わり方に違いが出てきそうですね。
そうですね。私自身は同じ科にフルタイム勤務の医師が5-6名いるため不在時の有事をカバーしてもらえる体制となっており、これは非常に恵まれていると思います。
このような体制を続けるには、たくさん医師を増やしてお互いカバーし合うしかないように思います。
このような体制を続けるには、たくさん医師を増やしてお互いカバーし合うしかないように思います。
育児と医師としてのキャリアの両立のためには、どのようなサポートがあればよいと思いますか?
第一線で働きながらキャリアアップを目指すためにはある程度基幹病院に機能を集約し、多数の医師で助け合いながら働き続ける必要があると思います。私自身、産後の働き先としてクリニックを提案されたこともありましたが、その後に病院勤務へと復帰することは困難となります。特に手術や処置などの手技を身につける必要がある科はなおさらです。
勤務先選びはやはり難しいですね…。助け合いのしやすい環境で勤務できるのが理想ですね。
ライフプランは柔軟に。就職は頼れる人のいるところで。
後進の医師、医学生へメッセージをお願いします。
実際のところ、結婚、妊娠、出産に関してはなかなか計画的にいきません。勤務先も自分で選べるとは限りません。仕事優先と思っていても、いざ育児が始まると家庭を優先したくなる人もいます。
確かに、大きな出来事を経験したあとに価値観が変わることはありえますよね。
どうしても譲れないことがあれば突き進むべきですが、ある程度は柔軟に考えていくのが良いと思います。ただし、出産後や育児が始まってから夫婦どちらかの両親を頼って転居することも珍しくありません。いずれ介護の必要が出てくることもありますし、早めに実家・義実家の近くで就職するのを視野に入れてはいかがでしょうか?
マメコロ先生、ありがとうございました!
この記事のライター
Yuriko
iCoi女性ライター。医学生として医学を学びつつ、医師、特に女性医師のキャリアについての記事を執筆していきたいです。
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