確定拠出年金で資産形成を!研修医の私がプロと実践する運用戦略を紹介!
今回は、医師として働き始めた26歳の私が、確定拠出年金の運用プランを組み立てた経験をもとに、資産形成の考え方をお伝えします。研修医としての給与体系を踏まえながら、長期的な視点で選んだポートフォリオの内容と、その理由を解説していきます。
目次
確定拠出年金は運用成果で変動する年金制度
確定拠出年金は、加入者自身が掛金を運用し、その運用結果によって将来の受取額が決まる年金制度です。名称の由来は、掛金(Contribution)が確定(Defined)していることから、DC(Defined Contribution)と略されます。
DCには大きな税制上のメリットがあり、運用時の利子や運用益が非課税となるほか、受給時には公的年金等控除や退職所得控除の対象となります。
DCには、企業型DCと個人型DCの2種類があり、企業型は会社が提供する福利厚生の一環として手数料を負担し、個人型は加入者本人が手数料を負担します。運用の結果が自身の将来の資産額に直接影響するため、効果的なポートフォリオの設計が重要です。
投資目標とリスク許容度を明確化しよう
そもそも、DCでは長期投資が前提となるため、短期的な市場変動に動じない投資姿勢が重要です。年齢や収入状況に応じて適切なリスク許容度を設定し、それに基づいたポートフォリオを構築する必要があります。
しかし、リスク許容度にも個人差がありますから、「自分がどの程度のリスクを許容できるのか」を明確にしましょう。一般的には、20代の若年層は、今後の収入を考えると比較的リスクを取りやすいため、株式比率を高めに設定する傾向があるようです。一方、50代以降では、リスクを抑えた債券比率が高めのポートフォリオが好まれる傾向があります。
資産クラスの分散を決める
資産クラス(アセットクラス)とは、株式、債券、不動産など、同じような値動きやリスク特性を持つ投資対象資産の分類のことを指します。効果的な投資戦略を立てる上で最も重要な原則の一つが、これらの資産クラスを分散させることです。
確定拠出年金では、複数の資産クラスの商品が提供されており、これらを適切に組み合わせることで、投資リスクを抑えながら安定的なリターンを目指すことができます
株式投資
株式は高いリターンが期待できる一方で、それに応じたリスクも伴う資産クラスです。特に長期的な資産形成を目指す場合に有効な選択肢となります。国内株式と外国株式を組み合わせることで、地域による経済変動リスクを分散させることができます
債券投資
債券は株式と比べてリスクが低く、比較的安定したリターンが期待できる資産クラスです。ポートフォリオ全体の安定性を高める役割を果たします。国内債券と外国債券をバランスよく保有することで、金利変動や為替変動のリスクを分散することができます。
不動産投資信託(REIT, リート)
不動産投資信託(REIT)は、株式や債券とは異なる値動きの特徴を持つ資産クラスです。不動産市場への投資手段として活用でき、ポートフォリオに組み入れることで、さらなる分散効果を得ることができます
ポートフォリオのリバランスの重要性
投資運用を続けていると、市場の変動により、当初設定した資産配分比率が徐々に変化していきます。この歪みを修正するために行うのが「リバランス」という調整作業です。定期的なリバランスにより、投資開始時に決めた運用方針を維持し、想定以上のリスクを抑制することができます。
具体例を挙げると、当初ポートフォリオの50%を株式に配分していた場合、株式市場が大きく上昇すると、ポートフォリオ全体に占める株式の割合が60%などに増加することがあります。このような場合、株式を一部売却して債券やリートを購入することで、本来の資産配分比率に戻すことができます。リバランスは通常、年1~2回程度実施することが推奨されています。
投資信託の手数料について
確定拠出年金は数十年という長期の運用となるため、わずかな手数料の違いが最終的な運用成果に大きな影響を与えます。例えば、年間0.5%の手数料の違いが30年間続くと、最終的な資産額に約15%もの差が生じる可能性があります。同じような運用方針の投資信託でも、運用会社によって手数料率が異なるため、商品選択の際は慎重な比較検討が必要です。
長期的な視点で運用を行う
確定拠出年金は退職後の生活資金を確保するための長期投資制度です。そのため、日々の市場変動に一喜一憂せず、長期的な視点で運用を継続することが重要です。特に株式投資では、短期的には大きな価格変動があっても、長期的には経済成長に応じたリターンが期待できます。このような特性を理解し、冷静な投資判断を心がけることが、成功への近道となります。
実際の私のポートフォリオ
選択可能な商品
運用商品には、5年定期預金や変動定期預金といった預金商品をはじめ、日本・外国の債券インデックス、2種類ずつの日本株式インデックスと外国株式インデックス、世界経済インデックス、そして分散投資コア戦略ファンドが含まれていました。ただし、コア戦略ファンドについては手数料が高額であることから、私は選択肢から除外しました。
資産配分の決定
20代という年齢を活かし、長期的なリターンが期待できる株式投資に50%を配分することにしました。これは、若いうちにある程度のリスクを取ることで、将来的な資産形成の可能性を広げる狙いがあります。
また、すでにNISAで株式や投資信託による運用を行っていることから、ポートフォリオ全体のバランスを考慮し、債券インデックスに35%を配分しました。さらに、60歳までの引き出し制限があることを踏まえ、安定性を重視して定期預金に15%を配分することで、リスクの分散を図りました。
国際分散投資の考え方
将来の円相場の変動を予測することは困難です。そのため、為替リスクに対するヘッジとして、債券投資も株式投資も日本と外国で均等に分散させる方針を採用しました。この方針により、特定の国や地域の経済状況に過度に依存することを避け、より安定的な運用を目指しています。
株式インデックス 日本25% 外国25%
債券インデックス 日本18% 外国17%
定期預金 15%
にしました!
自分のリスク許容度に合わせて分散投資しよう
確定拠出年金の効果的なポートフォリオを計画するには、自身のリスク許容度を把握し、資産クラスの分散を意識しながら、自分に合った運用スタイルを選ぶことが重要です。
定期的なリバランスや手数料を意識することで、長期的に安定した資産形成が期待できます。将来の生活を支えるための重要な資産運用として、確定拠出年金を活用し、自分に合ったポートフォリオを計画していきましょう。
この記事のライター
むーみん
関東で初期研修をする2年目です。都内の中高一貫女子校を卒業し、関東の医学部を卒業しました。専門は麻酔科に進む予定です。
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