医師よ、AI革命に乗り遅れるな! - 最新LLMが変える診療の未来

こんにちは、Dr.パンダです。医師兼エンジニアの私から、同業の皆さんに警鐘を鳴らします。今回のテーマは「最新のLLM(大規模言語モデル)を活用した診療・研究の革新」です。

医師よ、AI革命に乗り遅れるな! - 最新LLMが変える診療の未来

目次

  1. 私は何者?
  2. ChatGPTを使ったことがない?それはもう時代遅れですよ
  3. 「使い方本」は発刊時点でオワコンでは?
  4. 医師のデジタルリテラシー問題
  5. 最新LLMが変える医療の未来
  6. さあ、LLMを始めよう!
  7. Ethicalな使用を心がげよう

私は何者?

Dr.パンダ
Dr.パンダ
医師×データサイエンスエンジニア。副業でiCoi Blogのライターもしています。PythonとTypescipt、Flutter(Dart)をよく使います。臨床研究もよくしており、原著論文は10本です。

ChatGPTを使ったことがない?それはもう時代遅れですよ

ちょっと過激なことを言いましょう。2024年になってもまだChatGPTを使ったことがない医師がいるとしたら、完全に時代遅れです。

令和の技術革新時代に乗り遅れないためにも、私は、医師達は新しい技術には積極的に触れていくべきだと強く思っています。新しいものを知れば、自らの能力や知識も向上していきますからね。

それに、これからの医療はAIなくして発展するはずがありません。「忙しくて新しいものに手を出す余裕がない」なんて言い訳は通用しないです。患者さんのために最新の医療を提供するべき我々が、最新のテクノロジーを避けているのは笑止千万、それくらいに思っています。

「使い方本」は発刊時点でオワコンでは?

AIの世界の進歩は目まぐるしいものがあります。ChatGPTだけでなく、Claude、GPT-4、さらには最新のOpenAI o1モデルなど、大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)の世界では、新しいAIモデルが次々と登場しています。

毎月のように新しいモデルが出ては、その精度を競い合ったり、それらを用いた新しいサービスが登場しています。ChatPGTなどの「AI使い方本」などをよくよく本屋で見かけますが、それらの執筆と出版時点で、すでに世にあるサービスには明らかな差が生まれているはずです。

つまり、本が出た時点でその本の内容はすでに古くなっているとすら言えます。それに、ChatGPTの使い方なんて、実際に使ってみれば5分で分かります。質問を入力して、回答を待つだけです。あとはトライアンドエラーの世界です。

もちろん、この指示文(プロンプト)には学習の余地があり、プロンプトエンジニアリングという分野があるほどですが、高度なプログラミングやサービス開発をしない限りは、多くの医師にはそこまでの学習コストは不要でしょう。そういう状況で、何百ページもの本の解説が必要でしょうか?そういう本を買う時点で、情弱ビジネスの餌食になっているようなものです。

医師のデジタルリテラシー問題

我々医師のデジタルリテラシーの低さを、新しい世代で何とかしないといけないと思います。世界中の医療現場でAI活用が進む中、日本の医療だけが取り残されるなんて、ひどい冗談ですよ。

医療システムにおけるクラウドの利用について、ただ盲目的に危険だと判断して排除したり、新しいサービスを拒もうとする封建的な姿勢であったり、それらが医師の働き方改革を大きく阻害していると思っています。

医師はその知恵をもって、もっと新しい技術に積極的に触れていくべきです。Twitterを見るだけで、いくらでも新しいサービスの情報を目にすることができるわけですし。

最新LLMが変える医療の未来

最新のLLMは、かつて登場したときのChatGPTの能力をはるかに超えています。例えば、Claude Sonnet 3.5は医学的な推論能力も格段に向上しており、文献検索と臨床研究の方法が劇的に変わりました。

文献検索の効率化

従来の文献検索では、適切なキーワードの選択や検索式の作成に多大な時間を要しました。しかし、Claude Sonnet 3.5を使えば、自然言語で研究テーマを入力するだけで、関連する論文を瞬時に抽出し、要約してくれます。

例えば、「2型糖尿病患者における新規GLP-1受容体作動薬の心血管イベント抑制効果」と入力すれば、関連する最新の論文リストと各論文の要点を数分で提示してくれるのです。これにより、膨大な時間を要していた文献レビューの過程が大幅に短縮されます。

Dr.パンダ
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かつてのChat GPT-3やGPT-3.5世代では、平気で嘘の文献を投げてくることで話題でした。近頃はそのようなことは減ってきていると思います。

臨床研究の加速

私が普段使っているClaude Sonnet 3.5は、研究計画の立案から論文執筆まで、臨床研究の全プロセスをサポートしてくれます。

  • 研究プロトコルの作成:研究目的や方法論を入力するだけで、詳細な研究プロトコルの草案を生成します。
  • データ解析の支援:統計解析のコードを生成したり、結果の解釈をサポートします。
  • 論文執筆の効率化:研究結果を入力すると、IMRADフォーマットに沿った論文の草稿を生成します。

さあ、LLMを始めよう!

「でも、どうやって始めればいいの?」そう思った方、まずはOpen AIのChatGPTの無料版から試してみてください。使い方は直感的で、特に練習は必要ありません。質問を入力するだけで、驚くほど的確な回答が返ってきます。

Twitterを見れば、いくらでも新しい情報は転がっています。#MedAIや#HealthTechなどのハッシュタグをフォローすれば、医療AI分野の最新動向をリアルタイムで把握できます。

Dr.パンダ
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重要なことは、LLMに対してより明確に質問をすることです。でもこれは当たり前で、上級医に「肺炎に対する抗生剤は?」と聞くより、「長期施設入所中の方の誤嚥に伴う抗菌薬は何の使用を考慮する?」と聞いた方が、「それはPIPC/TAZだ!」と明確に答えが返ってきますからね。

Ethicalな使用を心がげよう

AIの活用は我々の業務効率を飛躍的に高める可能性を秘めていますが、その使用には慎重な配慮が必要です。まず、患者データをAIに入力する際は、匿名化を徹底し、データの機密性を確保することが重要です。くれぐれもそのままクラウドLLMに患者情報を投げてはいけません

また、AIが生成した結果は必ず人間がチェックし、その妥当性を確認するべきでしょう。研究で使う場合、倫理の観点からも、AIの使用については倫理委員会への申請や論文での明記を忘れずに行うべきです。AIはあくまで補助ツールであり、研究のクリエイティビティや独創性は人間が担うべきであることを忘れてはいけません。

Claude Sonnet 3.5のような最新のAIモデルは、医学研究の在り方を根本から変える可能性を秘めていると思います。デジタル技術を恐れるのではなく、むしろ積極的に取り入れることで、これからの医療レベル向上に繋がることでしょう。医療のデジタル革命は、私たち一人一人の積極的な姿勢から始まるのです。

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Dr.パンダ

この記事のライター

Dr.パンダ

地方出身、中高は公立で東京大学に入学し、医学科に進学して令和X年に卒業しました。現在は、地方の急性期病院にて勤務しています。ひとりの若手医師として心の内をリアルにお届けできればと思います。

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