中高の同級生の子育てラッシュに思うこと。医師として、夫として。
どうもDr.パンダです。最近、インスタグラムで中高の同級生の出産ラッシュがやってきました。毎月1人は子どもが生まれている投稿を見ている気がします。そのたびに若干複雑な気持ちになります。今日は医師なら共感できる子どもの問題について語っていきます。
目次
私は何者?
2024年の国内年間出生数は70万人を下回る予想に
先日、2024年の日本の国内年間出生数が過去最低の68.9万人程度になるというニュースが流れ、「ついに70万人の大台を割り込んだ」と大きな議論を呼んでいます。少子化の波は、もはや津波と呼ぶべき勢いで日本社会を飲み込んでいますよね。
この記事を書いている私も、27歳の既婚男性医師です。妻と二人の生活を送る中で、日々インスタグラムのタイムラインに流れてくる同級生たちの出産報告に、複雑な思いを抱えている一人であります。
医師の子育て事情 - 遅れゆく人生の節目
医学部を卒業してから二年目。あれは初期研修の終わりがけだったと思います。この頃から、かつての同級生たちのInstagramでの投稿が急に様相を変えはじめました。結婚式の写真が減り、代わりにベビー服や小さな手足の写真、幸せそうな家族写真が増えていきます。中高の同級生は皆、次のフェーズに進んでいるように見えました。
私は初期研修のうちに一般企業で働く妻と結婚しましたが、まだ子どもは授かっていません。そもそも私たちは、私の臨床の仕事の影響で一緒に住めない時間が長く、夫婦生活の安定にも時間を必要としています。そのような状況では、なかなか子どもを考える余裕はないのが現状です。
数字で見る医師の結婚・出産事情
厚生労働省によると、医師の平均初婚年齢は一般よりも2〜3歳ほど遅いとされているようです。さらに、第一子出産年齢も30代後半にシフトする傾向が強まっています。
私の周りを見渡しても、医師の同期で子どもがいるのはわずか2人。対して、高校時代の同級生たちはすでに第二子を妊娠中という人も少なくありません。
深夜のインスタ閲覧で感じる複雑な思い
先日も夜勤明けで疲れた目をこすりながら、何気なくインスタグラムを開いた時のことです。高校時代の親友が息子の1歳の誕生日会の写真を投稿していました。可愛らしい笑顔に「いいね」を押しながら、どこか胸が締め付けられる感覚を覚えました。
医師という職業を選んだことを後悔しているわけではありません。しかし、同世代の友人たちが次々と新しい家族を迎える中、医師として働くためにプライベートのフェーズが遅れていく自分の選択は本当に正しいのだろうかと考えてしまう夜もあります。
医師の働き方はプライベート形成には適合しづらい
現在、私は急性期総合病院で専門医取得を目指して研鑽を積んでいます。臨床で技術を磨き、論文を書き、学会発表の準備をしながら副業もする日々。妻も一般企業で残業ありのフルタイムで働いています。
子どもを持つことは、私たちのキャリアパスに大きな影響を与えることは優に想像できます。特に妻のキャリアは、出産を機に大きく変更を迫られる可能性が高いことも気がかりです。
最近では、医師の働き方改革も進んでいます。当直明けの勤務制限や、残業時間の上限設定など、少しずつですが変化の兆しが見えています。私の勤務する病院でも、育児中の医師向けに短時間勤務制度や当直免除制度が整備されつつあります。ただ、実際に利用している医師はまだまだ少数派。特に男性医師の育児参加については、まだまだ道半ばという印象です。
これからの選択 - 自分たちらしい答えを探して
妻との間で、子どもを持つタイミングについて話し合うことは増えてきました。互いのキャリアを尊重しながら、かつ家族としての幸せも追求していく。その最適解を、二人で少しずつ探っているところです。
インスタグラムで見る同級生たちの幸せそうな家族写真。それは確かに羨ましくもありますが、一方で医療という道を選んだ私には、私なりの幸せの形があるはずだと信じています。
ただ、この記事を書きながら、ふと思います。数年後、今度は私たちの子どもの写真をインスタグラムに投稿する日が来るのかもしれない。そんな日を、少し期待を込めて想像している自分もいるのです。
この記事のライター
Dr.パンダ
地方出身、中高は公立で東京大学に入学し、医学科に進学して令和X年に卒業しました。現在は、地方の急性期病院にて勤務しています。ひとりの若手医師として心の内をリアルにお届けできればと思います。
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