本当にこのままでいいの?Z世代の研修医が抱える悩み、投げかけたい本音

こんにちは。今年から研修医として働き始めたZ世代の一人です。医療の世界に飛び込んで半年、驚きの連続でした。特に「自己犠牲」という概念に大きな違和感を覚えています。私の率直な思いを聞いていただけますか?

本当にこのままでいいの?Z世代の研修医が抱える悩み、投げかけたい本音

目次

  1. 「自己研鑽」の名の下の無償労働
  2. 「断らない救急」の実態:現場と上層部の乖離
  3. 2030年問題:私たちの不安な未来
  4. 働き方改革って良くなっているの?
  5. 「患者中心の医療」の矛盾
  6. これからも僕は悩み続けるのだろう

「自己研鑽」の名の下の無償労働

僕は地方にある大病院で今年の4月から研修をしています。オリエンテーションの時から、それはもう驚きの連続で。

オリエンテーションの初日、副院長なる某内科の部長が、「自己研鑽のために残業するのは致し方ない」と言われました。でも、なぜ自分の時間を無償で犠牲にしなければいけないのでしょうか?確かに学ぶことは大切ですが、それは勤務時間内でできないものなのでしょうか。

というか、そもそも自己研鑽って何ですか?25年間生きてきて、初めて直接言われました。労働時間か否か、それではダメなんですか?

「断らない救急」の実態:現場と上層部の乖離

「断らない救急」。この言葉、よく耳にしますよね。でも、実際にこれを掲げているのは誰なのでしょうか?

僕の半年足らずの経験から言えば、この方針を強く推し進めているのは、現場で実際に診療をする救急科の先生たちではなく、上層部の人々であることが多いように感じます。

「断らない」という美辞麗句の裏で、疲弊する医療スタッフの姿があるのではないでしょうか。上層部の方々は、確かに理想を掲げることは大切だと考えているのでしょう。しかし、その理想を実現するための具体的な方策や、現場の負担を軽減する施策については、十分に考慮されていないように思えてなりません。「断らない救急」を実現するためには、適切な人員配置、効率的な業務フロー、他の医療機関との連携強化など、様々な要素を考慮しなければなりません。

「断らない救急」という理想を追求するなら、現場の声に耳を傾け、実現可能な方策を一緒に考えていく姿勢が求められているのではないでしょうか。

このギャップを埋めるためには、現場と上層部の対話が不可欠だと思います。私たちの声を届け、より良い医療システムを作り上げていく。それこそが、本当の意味での「断らない救急」につながるのだと信じています。

2030年問題:私たちの不安な未来

まだ初期研修が始まってから半年ですが、後期研修医以降のことを考えるだけでお腹が痛くなります。2030年を過ぎると、医者余りが生じはじめ、僕らの給与体制が崩壊するというpostを見てしまったからです。

上級医の先生は、「僕らが若手の頃は」と昔の話をしてくださいますが、そのときとはもう違うんだよなあという気持ちが常にあります。専門医の資格を取るのも大変なのに、その後の安定も保証されていないなんて。

さらに、保険診療が崩壊するかもしれないという話も聞きます。患者さんの経済状況で受けられる医療に差が出るなんて、医師を志した理由が根底から覆されるような気がして、とても悲しいです。

将来性のある診療科はどこだろう」「開業するべきか」と、患者さんのことよりも自分の将来のことで頭がいっぱいです。医療への情熱と現実的な不安の間で、毎日葛藤しています。皆さんは、この不安な未来にどう向き合っていますか?

働き方改革って良くなっているの?

僕らが働き始めた今年度から、働き方改革が始まったようです。僕らからすると、前の状況を体験しているわけではないので、実際どのように変わったかを直接感じることはありません。

しかし、入職してから、ことあるごとに、「去年まではなあ〜」という文脈で色々な話を聞きます。どうやら改善はしているところもあるようですが、僕からすると、まだまだひどい環境は根強く残っていると思います。

僕も実際、先日、当直明けで帰ろうとしたら、上級医から「まだ引継カンファあるだろ」と言われ、AM11時頃まで病院に残っていました。結局は「自己研鑽」という名目で残らされるんだろうなと思いました。

医師でなくてもできる業務はたくさんあるはずなのに、「昔からそうだから」という理由や、人件費をケチって変えない、変わらないこともたくさんありそうです。本当の働き方改革って何なんでしょうか?単に労働時間を減らすだけじゃなく、業務の質や効率性を上げることじゃないんですか?

「患者中心の医療」の矛盾

医学部時代は、「患者中心の医療」を学びましたが、現場では矛盾を感じることが多々あります。例えば、患者さんの希望と医学的に最適な治療が異なる場合。理想は患者さんの意思を尊重することですが、現実には保険点数や病院の方針が優先されることもあるように感じます

また、十分な説明をする時間もないまま、同意書にサインをもらうこともあります。これって本当に患者さんのためになっているんでしょうか?医療の質と効率性のバランス、患者さんの希望と医学的根拠のバランス。これらをどう取るべきか、日々悩んでいます。皆さんは、この「患者中心」という理想と現実のギャップをどう埋めていますか?

これからも僕は悩み続けるのだろう

今回、僕が半年働いてみて感じたことを、僕の主観だけで語らせていただきました。正直、視点を変えたら、僕とは違う意見もたくさん出てくるんだろうと思います。来年になれば、僕自身も違うことを考えているかもしれません。

でも、この働きはじめに抱いた感情は、ずっと大事にしたいなと思っています。それが、きっと今後の現場をよくしていく上でも重要なことだと思うからです。

先輩医師の方々、また同年代の方々、僕の記事を見て感じられたことがあれば是非コメントをいただけましたら嬉しいです。素直に受け止めたいなと思います。

よろしくお願いします!

Z世代研修医

この記事のライター

Z世代研修医

117回世代の研修医二年目です。コスパよく手技や知識を身につけるべく日々奮闘しています。研修医ならではの視点でさまざまな記事を発信していきます!

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