結婚による医師の働く時間の変化。男性医師は増え、女性医師は減る。
皆さんは普段、一週間でどのくらいの時間、病院で勤務されていらっしゃいますか?今回は厚生労働省が発表した「常勤勤務医の働く時間」に関するデータから、男性医師と女性医師のギャップ、そして家庭に入ることで労働時間がどう変わっていくかについて見ていきましょう!
日本の医師は働きすぎ?
医師の皆様にご質問です。一週間のうち何時間ほど病院で勤務をされていらっしゃいますか?
厚生労働省が発表した2018年のデータによると、病院常勤医師の週当たりの平均労働時間は、男性で57時間59分、女性で51時間32分となりました。そして男性は41%、女性は28%の医師が週60時間以上勤務していることがわかりました。この時間はオンコールの待機時間を除いたものであるため、実際にはさらに労働時間が長い方も多くいらっしゃることが予想されます。
女性医師の労働時間は30, 40代で大きく減少
さて、ここからは年代別で週当たりの労働時間を見ていきましょう。同じく厚生労働省の発表したデータによると、年代別の病院常勤勤務医の週当たり勤務時間は以下のようになりました。
年代 | 男性医師 | 女性医師 |
---|---|---|
20代 | 64時間59分 | 59時間12分 |
30代 | 63時間51分 | 52時間13分 |
40代 | 61時間06分 | 49時間20分 |
50代 | 55時間28分 | 50時間05分 |
60代以上 | 45時間17分 | 42時間49分 |
全年代平均 | 57時間59分 | 51時間32分 |
こちらを見ると、男性は年代が上がるにつれて労働時間が減少していくのに対し、女性は30代, 40代で大きく減少を見せています。これは女性が結婚、出産、育児をするタイミングで家庭に入ることが理由として予想されます。
結婚による労働時間、男性は増え、女性は減る
「結婚して子供ができれば、男性だって労働時間は減るんじゃないの?そもそも、女性の労働時間が減っているのは本当に家庭に入ることが理由?」
そう思った読者の皆様もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は、女性医師だけが家庭に入ることで労働時間が減っていることを裏付けるデータも厚生労働省によって出されています。下の図をご覧下さい。
この図は、男性と女性で、「未婚・子なし(赤」、「既婚・子なし(青)」、「既婚・子あり(緑)」の三つのグループの労働時間の分布を表したものになります。
こちらを見ると、なんと男性は「既婚・子あり(緑)」のグループが最も労働時間が長く、一方で女性はそのグループが最も労働時間が短いことが分かります。男性よりも女性のほうが結婚や子育てによって家庭に入り、労働時間が減少していることは、このように国のデータからも明らかになっているのです。
iCoi Blogは女性医師の生の声をお届けしていきます
もちろん、労働時間が長ければ良いというものではありませんが、女性が常勤に戻りたくても戻れないのであれば、その原因は明らかにしていくことが求められるでしょう。
そのためにiCoi Blogだからできること。それはデータだけではなく、実際の女性医師の先生方のお声を届けることだと考えています。
現在、iCoi Blogでは、結婚・出産・育児をご経験されている女性の先生方にご連絡を取り、インタビューをさせていただいています。女性の先生方が、実際にどのようなご経験をされ、そしてどのように向き合ってこられたかについて、iCoi Blogを通じてあらゆる診療科のワークライフバランスと一緒にお届けして参ります。楽しみにしていてください!
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