【Z世代研修医編】手技やるけど、先生よかったら見学くる?

指導医から手技に呼ばれた。見てもつまんないし、なにも得られない。アウェイな部屋で上司の機嫌取りをするだけだ。研修医は見捨てられているのだろうけど、先輩方を見ていてそれでも困らないような気がする。じゃあ頑張るメリットってなに?

【Z世代研修医編】手技やるけど、先生よかったら見学くる?

目次

  1. よかったら見学しない?
  2. その手技、いつ終わるんですか?
  3. 成長する実感がない
  4. 頑張る意味って、昔よりもっとなくなったよね
  5. 指導医の差
  6. 研修医は見捨てられているのだろうけど
  7. 時間外は当然帰る

よかったら見学しない?

「先生、今から気管支鏡検査するからさ、よかったら見学しない?」

真面目な先生が今日も私を教育してくれようとしている。
手技の見学って、興味のない動画のサムネイルを見るみたいな感じ。 突然知らない患者さんに会って、派手なイベントを見る。経過をざっと説明してはもらえるけど、所詮は説明もサムネ。この人がどういう人で、どんな生活をして、どんな会話をしたかはわからない。手技の見学も結局サムネ。手技を見ても私の記憶には染み込んでいかない。 

その手技、いつ終わるんですか?

上の先生たちは、手技を楽しんでいる。人生を賭けてやっている仕事って、趣味みたいなものだもんね。でも私にとっては他人の趣味だから、つまらない。

いつ終わるかわからないのもつらい。「何時に終わる」って約束してくれたら我慢もできるけど。
先が見えない待ち時間はストレスがたまる。 プロが作った動画ですら倍速で見る時代なのに、
興味のない内容を等速でずっと見させられて、終わりもわからない。誰だってこんなの辛いよ。

成長する実感がない

正直今の私には、研修医ローテで成長する実感がない。 診療を最初から最後まで見ることも少ないし、決断をすることもない。結局お客様だから何もわからないまま。なのに時間ばかり拘束される。当直は嫌いだけど一応自分でやらなきゃいけないからちょっとは成長してる感じはある。もう当直だけでいいんじゃない? 病院側も私達を当直係だと思ってるでしょ?

頑張る意味って、昔よりもっとなくなったよね

昔は指導医に張り付いて、夜遅くまで働いてやっと手技の機会をもらう、って文化があったらしい。今は侵襲があることは責任問題になるから、基本的に研修医には許されてない。だから頑張ってもなにも変わらない。

昔はつまんない見学で長時間拘束されても、文句を言わなかったんだろうけど、とにかく無駄でも頑張るのが正義だったから。指導医と研修医で「頑張ったね」って満足しあっていただけでしょ。昔の倫理で患者を犠牲にして。 

指導医の差

こないだの指導医はアタリだった。お互いに「意味ないよね」ってわかりあえる感じ。向こうも断りやすく聞いてきてくれて、断ってほしそうだったし、こっちもそれを感じて断れた。そういえばあの先生は看護師さんからの評判も良くて、患者さんウケもいいらしい。無駄なことを無駄だと言える先生って、臨床能力が高いのかもしれない。大事なことにフォーカスする能力は、臨床でも研修医教育でも一緒だもんね、きっと。  

今日の指導医は断ると機嫌が悪くなるから一応行っとく。「研修医たるもの、病院に住み込むように身を粉にして働くべき」っていう先生だ。「俺の若い頃はもっときつかった」と言われたら、「そうなんですね、私たちはぬるま湯ですみません」と言っておこう。あの先生、看護師さんからも評判が悪いらしい。 

研修医は見捨てられているのだろうけど

「指導医が研修医のこと教えなくなった」と言われていて、それはこっちも感じる。双方にメリットがないから当然だと思う。指導医の気持ちはわかんないけど、まあ私達が将来先生に恩返しできるチャンスって多分ないんだと思う。ローテでどっか行っちゃうし。

研修医は、デキレジになる必要がない。専門医を取るためには、偉い人が決めた制度通りに拘束されていればいいだけ。ポンコツのお医者さんでも専門医が取れる。仕事ができるようになっても仕事が増えて損なだけ。教える側も研修医も、初期研修の時間をやり過ごせばいいだけ。 

かといって困る気もしない。研修医で学ぶことは将来使わない。必要なのは専門に行ってからの知識だけ。指導医だって研修医で学ぶこと覚えてないじゃん。専門以外のことはちょっとのことでもコンサルトするし、抗生剤の使い方もおかしいって感染症の先生が言ってた。なんなら開業医なんて風邪に抗生剤処方してお金を稼いでる。デキレジの実績として輝くCVとかAラインだって実際いらないでしょ。

結局そんなもんじゃん。ワシの若い頃は、って言われても、うーんって感じ。だれか頑張るメリットがあるなら教えてほしい。

時間外は当然帰る

手技に行くとアウェイな環境なのがいや。知り合いもいない。オーベンの機嫌も取らないといけない。手技を見て、「面白いですね!」とか言わないといけない。おしゃべりが楽しいならまだセーフだけど、だいたい昔の自慢話ばっか聞かされる。

つまんないし、無駄だし、辛い。でも仕事だと思って、勤務時間内は年功序列サービスをしにいこうでも、時間外は帰る。予定あるし、断る権利がある。私達はタイパが最低なのを我慢して、20代の貴重な時間を削っているのだから。

Z世代研修医

この記事のライター

Z世代研修医

117回世代の研修医二年目です。コスパよく手技や知識を身につけるべく日々奮闘しています。研修医ならではの視点でさまざまな記事を発信していきます!

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