女性医師・玲奈のお悩み相談室#5 後輩や同期と円滑に付き合うには?
育児中は子供の発熱など不測の事態が多く、職場の医師には迷惑をかけることが多いです。残業が当たり前だったり、休めなかったりと、労働環境の悪い部署ほど気を使うものです。今回は職場の人間関係を円滑にするヒントについて考察したいと思います。
目次
今日のテーマは「職場の方々と円滑に付き合う方法」
子育て中は仕事に穴をあけてしまうことも多く、気を使いますよね。今回は職場の人間関係についてのご相談です。
発熱がないちょっとした風邪でもすぐにお迎えを要求されます。急な休みやお迎えが多く、周りの先生方に色々と仕事をお願いしてしまっています。皆にどう思われているか不安です。
玲奈さんは未婚の方々とどのようにお付き合いをされていますか。
前と同じようには働けない。埋め合わせも難しい。
子供は誰かが見ていなければ生きていけません。そのような家族を抱えて、産前と同じように臨床医として働くことは不可能です。
当直もオンコールも残業も、今までと同じようにはできません。実家が子供をみてくれる場合はその限りではないかもしれませんが、ママでなければならないことも少なからずあります。
また、ギブアンドテイクでお返しすればよいとも言えますが、問題はギブできるリソース自体が削られているということです。子育て中はとにかく自由になる時間がありませんので、時間をギブすることはできません。
給与、待遇と労働の重さが比例しない実情を理解する
医局派遣の病院で働く場合、不公平感が出てしまうことは中々避けがたいと思います。上手にルールを設計している職場もあるかもしれませんが、多くの場合、他の方の負担は増えることになってしまうと思います。その負担を給与で調整することも、現実問題としては難しいでしょう。※時短は除く
つまり育児中は、同じかほとんど変わらない給与で他の医師より優遇されることとなりがちなのです。
先輩・後輩関係なく謙虚であれ
そのような現状をよく理解した上で、それ相応の振る舞いをすることが重要だと思います。私は、先輩だけでなく、後輩にも謙虚に接するようにしていました。美味しいバイトは後輩に譲り、人がやりたがらない仕事をキャパの範囲内でしっかり引き受けていく。後輩が手技で困っていたら、一番に気軽に声をかけて良い人になっておく、などを心掛けました。
・研修医指導
・後輩の手技指導
・手技が上手くいかない時のヘルプ
・気質の難しい外来患者を進んで貰っていく
・後輩が主治医をしていて困っている症例のムンテラに入る
・倫理委員会申請書類を代筆する
等を頑張りました。
引け目なく働きたければ、脱医局・就職もアリ
そのような気遣いに疲れてしまうなら、医局人事を外れて病院に直接就職がおすすめです。就活段階で、できることできないことを条件として提示しているので、それ以上のことを求められたりしません。
他の先生と条件が異なっていたとしてもそれは既に給与面で調整されていますから、医局人事で働くのとは状況が違います。
自由なスタイルで働きたいなら、一度は考えても良いでしょう。
この記事のライター
玲奈
2009年卒。サラリーマン家庭に生まれ。旧帝大医学部に進学。総合内科専門医、サブスペ3学会専門医。第一子出産直後までは政令指定都市のハイボリュームセンターで当直も頑張っていたが、次第に自身の働き方に疑問を抱く。物言えぬ赤子に与えうる限り最良の環境を与えることを決意。それが実現できる働き方を模索し、どこかの片隅の民間病院になんとなく居場所を見出す。時短週4日勤務。 夫と子供が大好き。子供の小学校受験を経験し、界隈独特の恐ろしくも暖かい世界にふれる。キャリアや資産形成、お受験についての情報発信と悩み相談を行っている。
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