医師偏在の解決策!?自治医大の「結婚協定」
卒業後は一定年数の自分の出身地での勤務が義務付けられている、自治医科大学。ですが、出身地の違う学生同士が結婚を望んだ場合、どうなるのでしょうか?実は、その義務を夫婦で分け合えるという制度が存在しています。今回はその実態に迫ってみました。
自治医大とは
自治医科大学(通称「自治医大」)は、僻地・地域医療の充実を目的に1972年に設立された大学です。実質的に公設民営大学の私立大学でとなっています。各都道府県ごとに数名の入学定員を設定し、その中で選抜するという特殊な入試形態が採用されています。
また、医学部の学生は、大学卒業後に9年間出身地の病院に勤務し、地域医療に貢献することが求められています。その代わりとして学費全額をカバーする奨学金が給付され、さらに知事により指定された公立病院等で働くことにより、その返済が免除されるという特徴があります。
卒業生を支える「結婚協定」
そのような特殊な制度が特徴の自治医大ですが、出身地の異なる学生同士が出会って結婚を希望した場合、どうなるのでしょうか?
実は、自治医大にはそのような夫婦のために「結婚協定」と呼ばれる制度が存在するのです。自治医科大学地域医療推進科HPによると、結婚協定は次のように説明されています。
- 本学卒業生同士で結婚した場合、各都道府県の配慮のもと、特例的に配偶者の出身都道府県での勤務が認められています(結婚協定)。特に初期研修1年目から結婚協定を締結したい希望がある場合には、5年生の6月頃までに都道府県主管課または地域医療推進課までご相談ください。初期研修を行う場所が出身都道府県でない場合、当該都道府県同士での協議が必要となりますので早めの相談が必要です。
この制度を利用することで、例えば男性側の地域で夫婦揃って4年間、その後女性側の地域で5年間勤務、といった形での義務年限修了が認められるという柔軟な対応をしてもらえるようです。
結婚協定は医師偏在の解決の糸口?
筆者の調べた範囲ではありますが、似たような制度の産業医科大学や、防衛医科大学校、各大学の地域枠などにはこのような協定は見られませんでした。しかし、医師の偏在が加速し、地域枠増設も議論されている今、結婚協定は他の大学にとっても参考になる制度ではないでしょうか?
今後は結婚協定を利用された方にインタビューしていきます
お読みいただきありがとうございました。
今後は実際に結婚協定を利用した/利用を検討しているという方、類似の制度を利用されている方にお話を伺っていきたいと考えております。
インタビューにご協力いただける方、また取り上げて欲しいテーマなどがある方、ご連絡をお待ちしております!
この記事のライター
Yuriko
iCoi女性ライター。医学生として医学を学びつつ、医師、特に女性医師のキャリアについての記事を執筆していきたいです。
この記事へコメントしてみる
コメントは運営が確認後、承認されると掲載されます。