【専門看護師編】現役看護師が看護師のキャリアアップについて説明します!
どうも、くりかるです。今回は、看護師のキャリアアップについて書いていきます。看護は生涯勉強と言いますが、実際にキャリアアップをしていく看護師はわずかです。今回は専門看護師について取り上げ、皆様のキャリアアップ支援となれば嬉しく思います。
目次
少数派だけど希望は大きいキャリアアップ
若手看護師の皆さん、こんにちは。今回は、看護師のキャリアアップ、特に専門看護師(Certified Nurse Specialist: CNS)について詳しくお話しします。
「看護は生涯学習」と言われますが、実際にキャリアアップを果たす看護師は少数派かと思います。しかし、キャリアアップは自身の可能性を大きく広げる有効な手段です。この記事を通じて、皆さんのキャリア展望が開けることを願っています。
専門看護師は14の専門領域で活動する各分野のエキスパート
専門看護師(CNS)とは、特定の専門領域において高度な知識と技術を持ち、質の高い看護ケアを提供する看護師のことです。日本看護協会の専門看護師制度委員会が認定する14の専門領域があり、それぞれの分野でエキスパートとして活躍しています。
主な専門領域は次の通りです。
- がん看護
- 精神看護
- 小児看護
- 急性・重症患者看護
- 地域看護
これらの他にも、感染症看護、家族支援、在宅看護など、多岐にわたる領域があります。
専門看護師は主に6つの役割を担う
さて、専門看護師ですが、主に以下の6つの役割を担っています
- 実践:高度な看護実践
- 相談:看護職を含むケア提供者に対するコンサルテーション
- 調整:保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーション
- 倫理調整:倫理的問題の解決
- 教育:看護職に対する教育的役割
- 研究:専門知識及び技術の向上並びに開発をするための研究活動
これらの役割を通じて、専門看護師は患者さんへの直接的なケアだけでなく、医療チーム全体の質の向上にも貢献する大切な仕事です。
専門看護師になるためには大学院卒業が必要
看護師として5年間の経験を積む
まず、看護師として最低5年間の実務経験が必要です。そのうち、志望する専門領域での経験が3年以上必要となります。早い段階で興味のある領域を見つけ、その分野での経験を積むことが重要かと思います。
大学院への進学
次に、専門看護師教育課程のある大学院に進学します。専門看護師になるためには、2年~3年かけて大学院で学ぶ必要があります。長い期間ですので、お住まいの近くで探されるほうがよいかと思います。2024年8月現在、109の大学が専門看護師課程を設置していますから、ぜひ探してみてください!
資格試験の受験
大学院修了後、日本看護協会が実施する専門看護師認定審査を受験します。この試験は筆記試験と口述試験からなり、合格すると晴れて専門看護師として認定されます。
このように、専門看護師になるための道のりは長く、大変であることは間違いありません。しかし、専門看護師になることで、キャリアの可能性が大きく広がります。
大学病院や専門病院でのリーダー的役割、看護教育機関での教育者としての活動、医療政策への参画、国際的な活動への参加など、様々な場面で活躍することができます。専門看護師は、その高度な知識と技術を活かし、医療の質向上に大きく貢献しています。給与面でも一般の看護師より高い水準にあることが多く、キャリアアップの選択肢として非常に魅力的です。
専門看護師の仕事は多岐にわたる
専門看護師(CNS)の日常業務は、一般の看護師とは異なる特徴があります。多くのCNSは、自身の専門領域で働きながら、CNSとしての役割も果たしています。
院内での活動としては、他部署からの相談に応じ、専門的な助言を提供するコンサルテーション業務があります。また、院内の看護師向けに勉強会や研修を実施し、最新の知識や技術を共有する教育活動も重要な役割です。複雑な症例に対して直接ケアを提供し、ベストプラクティスを示すことで、ケアの質向上にも貢献します。さらに、難しい倫理的判断が必要な場面でリーダーシップを発揮することも求められます。
また、院外での活動も多岐にわたります。専門誌や一般向け医療情報誌への寄稿といった執筆活動、学会でのパネリストやスピーカーとしての参加、最新の研究成果の発表などが含まれます。地域の医療機関や福祉施設と連携し、継続的なケアの提供を支援する地域連携活動、さらには自身の専門性を活かした医療政策の改善に向けた提言を行うこともあります。
CNSの仕事は多岐にわたり、通常の看護業務に加えてこれらの活動を行うため、時間管理と優先順位付けのスキルが非常に重要になります。しかし、この多様な経験こそがCNSの魅力の一つであり、看護師としての視野を大きく広げる機会となります。
専門看護師は給与は高く日勤中心となることが多い
CNSを目指す看護師にとって、給与は重要な考慮事項の一つです。調査によると、40-44歳のCNSの平均年収は約540万円となっています。
一般の看護師と比較すると、基本給が高く設定されていることが多く、CNS専門手当が付くケースもあります。また、夜勤回数が減少し、日勤が中心になることが多いのも特徴です。
CNSは通常の給与以外にも、収入源を持つ可能性があります。専門誌や書籍の執筆による原稿料や印税、学会や研修会での講演料、研究活動に対する助成金の獲得などが挙げられます。これらの副収入は、CNSの専門性と経験に基づいて得られるものであり、キャリアの発展とともに増加する傾向にあります。
給与以外のメリットも見逃せません。高度な専門性により雇用の安定性が高まること、専門分野での貢献を通じた自己実現の機会、幅広い人脈形成の機会などが挙げられます。
専門看護師を目指すべきか?
CNSは確かに魅力的なキャリアパスですが、全ての看護師に適しているわけではないとは思います。特定の看護分野に強い興味と情熱を持ち、リーダーシップを発揮し、他者を指導することに喜びを感じる方に向いているでしょう。また、継続的な学習と自己成長に意欲的で、複雑な問題解決に挑戦したいと考える看護師にとっては、理想的な選択肢となると思います
自身のキャリアゴールと照らし合わせ、CNSが自分に適したキャリアパスかどうかを慎重に検討してみてください。専門性を極めたい、より大きな影響力を持ちたいと考える看護師の皆さんにとって、CNSは素晴らしい選択肢となるはずです!
この記事のライター
くりかる
男性看護師くりかるです。看護師以外にも働く術を身につけたくライター、動画編集など幅広く業務を実践中。お仕事以来はでD Mまで⇨https://x.com/crikal0216ポートフォリオは⇨https://note.com/crikal0216/n/n834c7fefb17e
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